Atlantic.Netはフロリダ州Gainesvilleで、1994年からホスティングビジネスをやっている。しかし同社は長年、地方企業であることに甘んじてきた。でも同社は昨年ぐらいから、知名度を高め全国区の企業になるための懸命な努力を開始している。それは、同業のDigitalOceanの急成長に刺激されたためだ。
Atlantic.NetのCEO Marty Puranikによると、同社は合衆国の全国区の企業であるだけでなく、グローバル企業も目指しているので、最初はヨーロッパとアジアでの事業展開を目指す、という。
同社の世界展開の旅の最初の停泊地がロンドンだ。“ロンドンはデベロッパのコミュニティがヨーロッパでいちばん活発だから”、とPuranikは言う。Atlantic.Netの現ユーザの中にもすでにイギリス人がかなりおり、多くがロンドンの住人だ。だからヨーロッパの最初の拠点としては妥当な選択だ。でも同社は、ヨーロッパのそのほかの都市にも近く進出するつもりだ。
アジアでは、まずシンガポールに同社のデータセンターを作る。Puranikが言うように、この都市国家は国際企業の進出に寛容であり、しかもアジアとオーストラリアとニュージーランドの市場へのアクセス性が良い。彼は曰く、“この地域の顧客は、ヨーロッパや合衆国に比べると地理的に遠いため、当然ながらレイテンシを気にしている。その懸念を払拭できるほどのサービスを提供できれば、快調なアジア進出が可能だろう”。
同社の今後の拡張方針としては、まず第一歩として世界の主要地域を抑える。“幹線を抑えてから支線にも出て行きたい。そのようにして全世界的に、顧客との距離を一歩々々縮めていきたい。たとえばインドなんか、デベロッパの数も多いからね”、というのだ。
最近の2年間ぐらいで、DigitalOceanが急速にVPSホスティング市場の支配的勢力になってきた。Atlantic.Netもそろそろ静観は許されない事態だと思うが、こうして古参が積極的に戦う姿勢を見せているのは、たのもしい。
たとえば同社が最近立ち上げた、月額99セントのSSDベースのサーバは、ローパワーではあるけど、多くのコンペティタをぎょっとさせた。そして同社は今では、WordPressやNode.js、Docker、それに標準のLAMP/LEMPスタックの、‘ワンクリックインストール’を提供している。〔LEMPはApacheがnginxに代わるだけ。〕
今後Atlantic.Netは、本業のVPS以外のサービス、たとえばストレージサービスなどをいくつか提供して行くつもりだ。