ミームの元画像を検索し、自分で新たなミームが作れるAntimatterのアプリ「Reverse Meme Search」

好むと好まざるとにかかわらず、今やインターネット・ミームは私たちのコミュニケーション手段の一部となっている(我々も見出しに使うほどだ)。しかし、既存のミームを繰り返し使用するためには、必要以上に面倒なユーザーエクスペリエンスが求められる。まずはミームの元になった画像を見つけ、次にテキストを追加する方法を考えなければならない。そのためには、Instagram(インスタグラム)の図案を写真編集ソフトウェアで逆変換する必要さえある。

しかし、最新流行のミームの元画像を探してGoogle(グーグル)画像検索を漁るのも大変だ。代わりに使えるのが、米国時間10月22日にウェブとiOS向けにリリースされたAntimatter(アニマター)の「Reverse Meme Search(リバース・ミーム・サーチ)」アプリだ。ミームをアップロードするだけで、このアプリはテキストの入っていない元画像を探してくれる。あるいはReddit(レディット)やTwitter(ツイッター)などのアプリで写真を長押しし、iOSが画像の共有先を選択する画面を表示したら、このアプリのアイコンをクリックしてもよい。ミームの元となった画像を確認したら、アプリに内蔵されているフォトエディターを使って文字を追加して、文字のフォント、色、サイズ、位置を選ぶことができる。このアプリでは「Comic Sans(コミック・サンズ)」を使うことができないが、これは意図的に排除されたものだろう。

TechCrunchでは、このアプリの機能をテストしてみた。スパイダーマンが指さすミームは簡単に逆変換した元画像を見つけることができたが、Owen Wilson(オーウェン・ウィルソン)のいわゆるディープフライドエフェクトを施したミームでアプリはすぐに躓いてしまった(「deep-fried memes」とGoogleで画像検索すると最初の検索結果で見つかるが、元画像はなかなか見つからないのだ)。しかし、心配いらない。このアプリには無料で利用できる「Meme Concierge(ミーム・コンシェルジュ)」が備わっている。リクエストを送信してから1時間もしないうちに「We found your template(あなたの元画像を見つけました:Owen Wilson Deep Fried Meme)」という件名のメールが届いた。

正直なところ、大学で美術を専攻しその頃からAdobeを利用しているが、Photoshopでディープフライドエフェクトをかけたミームのテキストや絵文字をきれいに編集することはできないだろう(というか、我々には他にやるべきことがある)。たとえ「ミーム・コンシェルジュ」が、メールにあるように「16GBのRAMと2つのUSB-Cポートを持つ人間」であったとしても、これは実際に有用なサービスだ。

TechCrunchによるスクリーンショット(画像クレジット:Antimatter)

Antimatterの創設者であるJonathan Libov(ジョナサン・リボフ)氏は、このアプリが機能する仕組みを教えてはくれなかった。基本的には画像の逆引き検索で、探しているミームを認識して元画像を送り返してくるのでだろうか?それとも、画像からテキストを自動的に消去する技術が使われているのだろうか? ディープフライド・オーウェン・ウィルソンでアプリを悩ませたことを考えると、おそらく逆画像検索だと思われる。だが、ディープフライド・オーウェン・ウィルソンの画像を使ってミームを自分で作ろうとする人は、もうコンシェルジュを使う必要はない。なぜなら、これでディープフライド・オーウェン・ウィルソンの元画像が、Antimatterのシステムに保存されたからだ。筆者は彼らの仕事をチェックして、テキストを追加した画像のコピーをアップロードした。

画像クレジット:TechCrunch

「私たちはこのアプリを、Instapaper(インスタペーパー)とPinterest(ピンタレスト)にFigma(フィグマ)を加えたようなものだと考えています。その2つの重要な機能は、(A)画像を収集し(最終的にはミームの元画像に留まらず、有用で意味のあるあらゆる画像)、(B)ライブラリに保存することです」と、リボフ氏はTechCrunchにメールで語ってくれた。「Antimatterは、実際にはP2Pの学習・教育企業であり、Reverse Meme Searchは、私たちがいち早く世界に利用してもらいたいと思った創造体験の一部なのです」。Antimatterは自社のウェブサイトで「インターネット上の多くのすばらしいミーム学習コミュニティに触発された」と述べている。

Antimatterの新しいリバース・ミームのアプリを試すことができました。

確かに、これはテクノロジーが解決すべき世界で最も重要な問題というわけではない(例えば、たった1滴の血液で何十もの予防的血液検査ができるとしたらどうだろう? )。しかし、ミームは明らかに現実世界の力を持っている。というわけで、あなたも逆検索してみてはいかがだろうか?

画像クレジット:Antimatter

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)