サンフランシスコを拠点とする小型衛星スタートアップのCapella Spaceは、商用の最先端合成開口レーダー(SAR)画像を独占的に提供している。同社は今回、これまで最高だった1m×25cmよりもはるかに高い解像度である50cm×50cmの「Spot」画像を提供することになった。SAR画像は雲や空気の状態、照明(昼夜を問わず)などに関係なく運用できるため、他のタイプの衛星による観測と比較して優位性がある。
Capella SpaceはSAR衛星の設計、構築、運用をすべて自社で行っており、米国で初めてSAR衛星を開発した企業だ。元JPLのエンジニアであるPayam Banazadeh(パヤム・バナザデ)氏によって設立された同社は、2020年8月末に1機のSAR衛星をRocket Lab(ロケット・ラボ)のロケットで打ち上げで軌道に投入した。同社によれば、年内にもSpaceX(スペースX)社のライドシェア契約でさらに2機の衛星を打ち上げを計画している。
現在のところCapellaの商業的に利用できる画像の最大解像度は、実際には技術的に制限されているわけではなく、米国の規制当局が定めた最大値によって制限されている。Cappellaは米国政府の顧客に対してより精細な画像を販売することができ、規制が技術に追いつけば25cm × 25cmの解像度の画像を商業的に提供できるようになるだろうと指摘している。
このレベルの技術が一般的に入手しやすく手頃な価格で入手できるようになり、Capellaのようなスタートアップ企業が商業的サービスを提供できるようになることで、SAR画像は衛星画像市場を大きくシフトさせる可能性を秘めている。また分析データやその他のタイプの観測データをレイヤー化して、光学イメージングだけでは不可能だった詳細な洞察を得るためのリッチなプラットフォームにもなる。もちろんこの技術は国家安全保障機関にとっても大きな関心事であり、Capellaはすでに米国政府に支援され契約を結んでいる。
なお米国時間12月16日に行われるTC Sessions:Spaceイベントにバナザデ氏が参加しているので、この新しい高解像度画像とその応用について詳細が語られることだろう。
カテゴリー:宇宙
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画像クレジット:Capella Space
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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)