米国IPOで評価額9900億円を目指すインド生まれの顧客管理ソフトウェアFreshworks

Freshworks(フレッシュワークス)は米国時間9月13日に、米国の新規株式公開(IPO)で最大90億ドル(約9900億円)の評価額を目指していることを明らかにした。同社はIPOで8億ドル(約881億円)以上を調達することを望んでいる。

もともとはインドで設立され、現在はSalesforceに対抗する、このカリフォルニアの企業は、28ドル(約3081円)から32ドル(約3522円)の価格帯で2850万株を売却する計画だと語った。もし同社がその上限でその株を売ることができれば、9億1200万ドル(約1004億円)を調達することになる。Freshworksは、もともと8月下旬にIPOの書類を提出していたが、いくつかの数字を開示していなかった。

創業11年の同社は、2019年11月の直近の資金調達ラウンドでは35億ドル(約3852億円)と評価された。この問題に詳しい人物は、スタートアップは2021年初めに50億ドル以上の評価額でIPO前ラウンドを行うことも検討したが、結局それは行わないことにしたとTechCrunchに語った。

関連記事:顧客管理ソフトウェアのFreshworksがシリーズHで約160億円を調達

Accel、Sequoia Capital India、Tiger Global、CapitalGなどが、投資家として連なるFreshworksは、CRMからヘルプデスクソフトウェアに至る、さまざまなビジネスソフトウェアツールの開発および提供を行っている。近年には、顧客に一連の統合ビジネスツールを提供するためにエンタープライズSaaSプラットフォームを構築し、製品提供の拡大を積極的に追求してきた。

NASDAQへFRSHのシンボルでの株式上場を申請したこのスタートアップは、現在5万を超える顧客にサービスを提供し、2021年上半期の収益は、前年同期の1億1100万ドル(約122億2000万円)から1億6900万ドル(約186億円)に増加した。同時に、純損失は1年前の5700万ドル(約62億7000万円)から980万ドル(約10億8000万円)に減少した。

「まず第一に、International Data Corporation(IDC)の業界調査に基けば、約1200億ドル(約13兆2000億円)ものの巨大なアクセス可能市場があると信じています」と同社は9月13日に更新されたS-1ファイリングの中で述べている。

「そして第二に、社内のデータと分析に基づいて、当社の製品の年間の潜在的な市場機会は770億ドル(約8兆4800億円)と見積もっています。[…]お客様が当社の製品をより多く採用し、使用を拡大していただくことで、当社の推定市場機会は拡大し続け、当社の製品を使用するための顧客あたりの加重平均ARR(年間経常収益)が増加すると予想しています」。

最近TechCrunchは、Freshworksの共同創業者で最高経営責任者のGirish Mathrubootham(ガーリッシュ・マシュルブーサム)氏にビジネスについて話を聞いた。マシュルブーサム氏は、インドで最も尊敬されている起業家の1人だ。マシュルブーサム氏は、世界で2番目に大きなインターネット市場でアーリーステージのSaaSスタートアップを支援するために、3人の友人とともに、2021年7月下旬に8500万ドル(約93億6000万円)のベンチャーファンドを立ち上げている

画像クレジット:Freshworks

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:sako)

Freshworksが顧客関係管理サービスを「再」スタート、機械学習による的確な予測も可能に

顧客と従業員の関係管理(CRM)を行う企業Freshworks(フレッシュワークス)は、コールセンターとカスタマーサポートのためのソフトウェアから人事ツール、マーケティング自動化サービスなど幅広い製品を提供しているが、米国時間10月26日、最新サービスとなる「Freshworks CRM」をスタートさせた。これは同社が新しく立ち上げたFreshworks Neo(フレッシュワークス・ネオ)プラットフォーム上に構築されるサービスで、企業のセールスおよびマーケティング部門に、顧客ビューの理解に必要なあらゆるツールを提供する。また機械学習も少しだけ投入し、的確な予測を行う。

Freshworks CRMは、基本的には同社のFreshsales(フレッシュセールス)サービスに、Freshmarketer(フレッシュマーケータ)マーケティング自動化ツールの機能を追加してリブランディングしたものだ。

「Freshworks CRMは、FreshsalesとFreshmarketerの能力を1つのソリューションに統合し、あらゆる状況に対応した前例のない360度顧客ビューのための内蔵顧客データプラットフォームを強化します」と、同社の広報担当者は私に話した。

同社が約束するのは、この改良型のCRMソリューションが、同社のNeoプラットフォームが提供する統一されたビュー(および集計データ)により、さらに充実した(潜在)顧客ビューを提供できるということだ。

CRMユーザーの大半は、自ら選んだCRMサービスにたちまち幻滅してしまうと同社は主張する。その原因は貧弱なデータだ。そこで差別化が図れるとFreshworksは考えている。

「Freshworks CRMは、CRMの本来の役割に基づき提供されます。つまりAI駆動データ、見識、情報を統合した1つのソリューションです。そうして、事業の目標の前面と中心に顧客を据えます」と同社の最高製品責任者であるPrakash Ramamurthy(プラカシュ・ラママーシー)氏はいう。「私たちは、データのパワーを操り、直接的な価値を生み出すためにFreshwork CRMを作り上げました。使いづらいインターフェイスと不完全なデータのためにセールス担当者の力になれなかった旧来のCRMソリューションに対抗するものです」。

その理念は、各担当部署に、1つのダッシュボードを通じてセールスとマーケティングのデータとAIの支援による見識を提供することで担当者の意志決定能力が高まり、やがてそれが顧客体験の改善、そして売上げ向上につながるというものだ。このサービスでは、さまざまなシグナルに基づきユーザーが必要に応じてカスタマイズできる予測リードスコアリングと絞り込みが提供される他、SlackとTeamsの統合、潜在顧客にリーチできる録音可能な内蔵電話機能など、数々の機能が備わっている。その多くは、すでにFreshsalesにも備えられていたものだ。

「オンライン学習における課題は達成度です。これを高めるには、学生がそのコースを受講する『なぜ』を理解し、そしてそのための『何を』そして『どのように』組み立てればよいかを知ることで、学生の個別の必要性を満たし、個々のゴールを達成できるようにしなければなりません」と、Shaw Academy(ショー・アカデミー)の最高分析責任者Mamnoon Hadi Khan(マムヌーン・ハディ・カーン)氏は話す。「Freshworks CRMによって、Shaw Academyでは全学生のカスタマージャーニーの追跡が可能となり、当校の学生支援の専門家を通じて彼らとよりよい関係を築き、彼らの学習体験をAIによってパーソナライズできるようになりました。つまり、個々の目標に添えるようになったのです」。

Freshworks CRMの利用料は1ユーザーあたり月29ドル(約3000円)。より高度な機能を備えた完璧な企業向けプランでは、1ユーザーあたり月125ドル(約1万3000円)となる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:FreshsalesCRMマーケティング

画像クレジット:Freshworks

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)