3Dプリントされたプラスチックは、そのままの形をずっと保つ。3Dプリントで作ったヨーダが大手術をせずにチューバッカの頭に変わることはない。ところが、MITの科学者たちは、プリント後のポリマーを変えることのできる3Dプリントの方法を作り出した。オブジェクトの縮小拡大、色を変える、さらに形を完全に変えることもできる。
MITの化学の准教授Jeremiah Johnsonはこう説明する: “その素材は、一度プリントしたものをあとから光を使って別のものに変形できる素材だ”。ポスドクのMao Chenと院生のYuwei Guが研究を主導し、ペーパーも書いた。
そのテクニックはリビング重合(living polymerization)と呼ばれ、彼らのペーパーには、“成長を停止させたり、あとから再開できたりする素材”、と説明されている。
チームは最初、ある溶液の中に3Dプリントされたオブジェクトを浸す、という方法を試行した。溶液中のオブジェクトに紫外線を当てると、その化学反応によりフリーラジカルが放出された。これらのフリーラジカルが溶液中のモノマーと結合し、元のオブジェクトに付着した。ただしそれは反応が急激すぎて、オブジェクトをだめにした。
新しいテクニックは、“折りたたんだアコーディオンのように反応する化学物質によるポリマー”を使っている。その新しい素材は光を当てると伸びて、形を変える。
この方法で作ったオブジェクトは、紫外線によって硬度を変え、加熱や冷却によって拡大収縮した。二つのオブジェクトを紫外線だけで溶融することもできた。
残念ながら、この技術を使ってミレニアムファルコン号をデススターに変えることはできないが、MITの素材研究における今後の研究をなお一層活性化することだろう。