200ドルするSilentmodeのPowerMaskはリラックスを誘うマスク

重慶大厦(チョンキンマンション)での2日目の夜、僕はほとんど眠れなかった。やかましい近所、香港の暑い空気、真夜中すぎのドアを叩く音。これらのどれもが安眠を妨げるもので、僕は人生で初めて、15時間超の帰途フライトで目を閉じるのが楽しみという思いを経験をした。

その夜に経験した悪名高い香港の環境は二度と経験したくないとの思いがあって、僕は頭に巻きつけるこの奇妙なものを試すのを楽しみにしていたー目を閉じて、ほんの数分間、自分自身がどこにいるのかも忘れるほどのラグジュアリーさを体験するというものだ。

僕はSilentmodeのPowerMaskを、Brincの煌々とした会議室の真ん中で試した。PowerMaskの外観はかなり奇妙だー両サイドにヘッドフォンが埋め込まれた、大きな目隠しマスク。おそらく装着しているところは誰かに見せたいというものではないが、上記写真ではLucasがすすんでモデルになってくれたーなぜなら、TechCrunch.com上では奇妙なものを装着する人の写真は十分にないからだ。

僕は家で飼われているオウムが夜カゴにブランケットをかけられるというのはこんな感じなのだろうかと思いながらこのマスクをつけたのだが、装着した1、2分間を楽しまなかったといえば、それは嘘になる。

ニューエイジ風の音楽、呼吸エクササイズ、そして何よりも重要なのが完全な真っ暗闇だ。これらでもって、このマスクでの体験は、絶え間なくある世界の恐怖からの束の間の解放となり、過剰に活発になった脳を落ち着かせるものとなる。

僕はこの手のものが大好きだ。スマホにはCalmアプリを入れていて、2週間の旅行に出る前、僕はMuseヘッドセットにかなりハマった。僕自身、瞑想が得意ではないという事実はこれまで何回も書いてきたが、そうした失敗した試みですら役に立つものとなっている。

PowerMaskのことを感覚を遮断する小型タンクのようなものと表現した人もいたが、そうかもしれない。それがどうしていけないだろう。僕はもっとひどい夜を経験したのだ。

PowerMaskの特徴をかいつまんで説明すると、正確には睡眠デバイスではない。少なくとも開発元はそのようには売り出していない。当初は“Power Nap”製品としていたが、この製品をどのように位置づけるか社内でいくらかの混乱があるようだ。もちろん開発元は、僕がテックイベント、特にアジアを旅するときに見る800万もの接続する安眠マスクとは差別化を図りたい。

驚くことに、開発元は最近のスタートアップが使う、瞑想だとかマインドフルネスといったフレーズも使わない。

「我々はリラックスの仕方を世界に教えるというより大きなミッションを持っている」と共同創業者のBradley Youngはフォローアップの電子メールでこう書いている。この会社のウェブサイトはかなり静かで、サプリメントの広告以外、音声はほとんど聞かれない。フロントページには “Reach peak state(最高の状態に)”“become a peak human(最強の人間になる”と、太字かつ大文字で書かれている。もちろん、これのどこがいけないだろう。

少し誇張された後者の方は、CVT(Cardiac Vagal Tone=心臓迷走神経の調子)と呼ばれるものにフォーカスしていることによる。このデバイスを普通の人がアスリートの心臓のような心拍に落ち着けるのに使うこともできる、とSilentmodeは言う。ここにグラフがある。

ここでは、この点を深くは掘り下げない。というのも、正直、僕はよくわかっていないからだ。しかし、頭で“心理音響と治療用音波の体験”をするための真っ暗闇カーテンを買うことが、自身を落ち着かせるのに使える手段となり得るということはわかる。このマスクは実際、宿泊先でのひどい体験で僕が必要としていた束の間の安らぎを与えてくれた。

Silentmodeが睡眠デバイスという位置付けから離れたにもかかわらず、このマスクは僕がフライト中に眠りに落ちるのにも役に立った。慰めるような音楽、そしてパッドでくるまれたヘッドセットは正確には枕ではないが、前の座席に頭をもたれかからせるよりはかなり快適だ。おそらく、頭に大きなものをつけるというぎこちなさは克服できる。もちろん、変なアクセサリーをつけていようがいまいが、飛行機で寝る姿はどれも格好いいものではない。

価格は199ドル。安くはない。そして開発元は追加のアプリ内購入でプレミアムなオーディオを提供するつもりだ。Silentmodeはまた、複数の大企業の協力を得てこのプロダクトをリラクゼーションが欠けているオフィスで試験している。

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(翻訳:Mizoguchi)