日産のProPILOTは主として自動運転機能を実現するために開発されたテクノロジーだが、 この新しいプロジェクトでは椅子の自動運転のために用いられている。いや、間違いではない。人間が座る、あの椅子だ。
ProPilotチェアは電動で自ら動く。その際、あらかじめ定められた運転経路に従い、他のProPilotチェアから一定の間隔をあけて追随する。映画、ウォーリーに出てくる椅子ほど万能ではないが、(われわれのMegan Rose Dickey記者が類似に気付いた)、行列に並ぶという古来からの習慣に伴う苦痛を大いに軽減してくれそうだ。
この椅子は 最新のiPhoneの販売であれ、人気レストランのテーブルであれ、何かを待つことを助けるためにデザインされている。この椅子の話を聞いたときどうせマーケティングのための人寄せだと思ったので、現実に使われると知ってたいへん驚いた。
日産では今日から12月27日まで、このシステムの利用を希望する日本のレストランを募集している。システムは並んでいる客を座らせ、テーブルが空くのに応じて自動的に前方に移動させる。応募者の中から日産にテスト先として選ばれたレストランには来年このシステムが設置される。またProPilotチェアは横浜市の日産グローバル本社で10月2日まで一般公開中だ。システムは6脚の椅子からなり、実際の行列をシミュレートした動作をデモする。
このプロジェクトは全体として、なんというか、多少ばかばかしい気がしないでもない。だからといって無視するのは間違いだろう。日産も、トヨタを含む他の自動車メーカーも移動の自動化を非常に広い範囲で実現しようと努力中だ。これには自動車の自動化だけでなく、高齢者にとっては重要な問題である敷地内、家庭内での移動も含まれる。私としては家の仕事用デスクからゲーム機を置いたコーナーまでこの椅子で自動的に運んでもらえると非常にありがたい。
〔日本版〕日産ProPILOTのウェブサイトで設置店舗を募集中。Twitterからでも応募できるという。なお記事トップのビデオは再生時に標準で音声オン。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)