ServiceNowがユーザーエクスペリエンスを一新、ネイティブのRPAと組み合わせて使えるAutomation Engineも登場

ServiceNow(サービスナウ)は米国時間3月23日、まったく新しくなったアプリのデザインを公開し、企業がオートメーションを短時間で作れるように開発されネイティブのRPAとも統合できるツールのAutomation Engineも発表した。どちらも米国時間3月23日に公開された新しいSan Diegoリリースに含まれている。

ServiceNowの最高イノベーション責任者であるDave Wright(デイブ・ライト)氏は、今回のリリースは効率とシンプルさを狙ったと説明している。同氏は「新しいデザインで重要なポイントの1つは『次世代エクスペリエンス』のコンセプト、つまりユーザーエクスペリエンスのあり方の刷新です」と述べた。

ServiceNowのSVP兼デザイン担当グローバル責任者であるAmy Lokey(エイミー・ローキー)氏は2年半前に入社し、同社のツールをデザインの観点から体系的に見直した。同氏はモバイルに関しては良い感触を持ったが、ウェブアプリはしばらくアップデートされていなかったため効率化とモダン化をしようと考えた。

ローキー氏は「当社のプラットフォームは多数のツールとアプリを含むウェブベースのアプリですが、深く探っていくうちにこのエクスペリエンスには革新とモダン化の両方について大きなチャンスがあると強く感じました」と語った。

同氏によれば、細心の注意をはらってデザイン全体を変更する必要があったという。ユーザーがServiceNowを使う際の中心であり、長く使っているユーザーを戸惑わせることなく使いやすくしたいと考えたからだ。

画像クレジット:ServiceNow

ローキー氏は「これはIT、人事、カスタマーサービス部門にわたって担当者が使うものです。ユーザーは業務のために1日8時間以上このアプリを使うこともあります。そのため、生産性を向上し、エクスペリエンスにインテリジェンスが組み込まれ、一体感があり簡単に使えて、使う人の力になると感じられるように変更する必要がありました」と説明する。

こうした考えから、デザイン変更には3つの重点が置かれた。操作の効率化、インテリジェントな検索、シンプルなパーソナライズだ。仕事のやり方に影響を与えることなく、仕事の効率を上げてもっとスマートにすることを目指してデザインが変更された。

また、ワークスペースの高度なカスタマイズ、メニュー操作による目的の機能への移動、そしてサービス技術者にとって優れたエクスペリエンスとなりそうな夜間や暗い環境で仕事をするためのダークモードもある。

今回のリリースにおけるもう1つの大きな変更点はAutomation Engineだ。これは以前に発表されたIntegrationHubと、2021年のIntellibot(インテリボット)買収で獲得したRPA機能をまとめるものだ。ライト氏は「Automation EngineはIntegrationHubとRPA Hubの組み合わせです。これにより標準的な統合に加え、統合した上でbotのプロセスを実行することもできます」と述べている。

Automation Engineにより、人間が介在しない、またはタスクの一部に人間が必要なbotが可能になるだろう。このツールはオートメーションを追加することでServiceNowのワークフローをシンプルにするために設計されているが、実装には組織のワークフローを理解して構築できる専門知識を有する人、あるいは適切に構築できる他社コンサルタントの助けが必要かもしれない。

画像クレジット:Eugene Mymrin / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

買収ラッシュのServiceNowが今度はインドのRPAスタートアップIntellibotを獲得

ServiceNow(サービスナウ)はインド・ハイデラバード拠点のRPA(ロボットによる業務自動化)スタートアップIntellibot(インテリボット)の買収を発表し、RPAを思い切って取りこむ最新の企業となった。両社は買収価格を公表しなかった。

今回の買収は、企業が組織内の業務の自動化に目を向けていることを受けてのものだ。RPAは往々にして人が退屈な繰り返し作業を行うことをともなう一連の古いプロセスを自動化する方法を提供する。

発表はServiceNowの2021年3月初めのノーコードワークフローの発表に続くもので、同社のクリエイターワークフロープロダクト担当のSVPであるJosh Kahn(ジョッシュ・カーン)氏によると買収は社の広範なワークフロー戦略の一環だという。

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「RPAはローコードツール、ワークフロー、プレイブック、150超の統合、機械学習、プロセスマイニング、予測分析を含むServiceNowの現在の自動化機能を増強します」とカーン氏は説明した。今回の買収で企業はRPAをネイティブのものとしてプラットフォームにもってくることができ、それでも顧客が必要とするなら他のベンダーのRPAボットを使うこともできると同氏はいう。

「ServiceNowの顧客はAutomation Anywhere、UiPath、Blue PrismといったRPA専門のベンダーのボットを組み込んだワークフローを構築でき、また当社は引き続きそうした企業との提携を続けます。顧客がインテリジェントでエンド・ツー・エンドの自動化作業をNow Platformで構築するとき、当社のパートナーのRPA機能とともに当社ネイティブのRPA機能を使いたいというケースが多く出てくるでしょう」とカーン氏は説明した。

この買収は、他のエンタープライズベンダーがRPA市場に参入する中で行われた。SAPは2020年12月末に新しいRPAツールを発表し、1月にプロセス自動化スタートアップのSignavioを買収した。一方、Microsoftは2021年3月初めに無料のRPAツールを発表し、この分野は明らかに大手企業の注意を引きつつある。

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ServiceNowはこの1年ほどで、Element AILoom SystemsPassage AISweagleを含む5社を立て続けに買収した。買収はすべて企業が組織内で自動化を構築するのをサポートするサービスだとカーン氏は話す。

「これらすべてのテクノロジーをNow Platformに持ってくることで、当社はより多くの洗練されたユースケースを自動化する能力を向上させます。手書きのものや電子メール、PDFのような書類の非構造化データのより良い取り扱い、そして大きなデータセットやルーティーンでないタスクのようなより弾力性のある自動化などです」とカーン氏は話した。

Intellibotは2015年に創業され、インドにおける強固な足がかりをServiceNowにおまけとしてもたらす。両社は2021年6月までの買収完了を見込んでいる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ServiceNow買収RPA

画像クレジット:Smith Collection/Gado / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

ServiceNowがノーコードワークフローの構築を支援する新機能を追加

今回のパンデミックを乗り切る中で、企業にはトレンドを再考し、加速する必要が生まれている。そのようなトレンドの1つが、各部門のユーザーがエンジニアリングの支援なしで、アプリやワークフローを作成できるようにするノーコードツールへの移行だ。その要求に応えるために、ServiceNow(サービスナウ)が米国時間3月11日、最新リリースの一部として、いくつかの新ツールをリリースした。

ServiceNowのチーフイノベーションオフィサーであるDave Wright(デイブ・ライト)氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、多くのチームが分散して作業することを余儀なくされ、その結果、ソフトウェア構築をすべての従業員の手に委ねるというアイデアへと進んだのだと語る。

ライト氏は「このような状況なので、みなさんはこれまでと同じサポートネットワークを持っておらず、分散しているので、普通の人が簡単に使えるレベルのソフトウェアを作成できるようにする必要があります。そして、それを実現できれば、みなさんにシステムを使用してもらうことができます。みなさんにシステムを使用してもらうことで、従業員の方々の生産性とエンゲージメントが向上し始めるのです」と説明する。

この話は、これまでは特にServiceNowプラットフォームが重点を置いている3つの主要な領域(カスタマーサービス、IT、HR)を中心に展開されてきたが、これら3つのカテゴリから踏み出すために、同社は従業員が自分のニーズに合った新しいワークフローを構築するのを支援できるCreator Workflows(クリエイター・ワークフローズ)と呼ばれる新しい分野を開発することを決定した。

同社はこのCreatorを支えるために、AppEngine Studio (アップエンジンスタジオ)とAppEngine Templates(アップエンジンテンプレート)という2つの新しいツールを開発した。これらは、組織全体で人びとが作業する場所を問わず、ノーコードワークフローの構築を支援するために連携して働くものだ。

AppEngine Studioは、ユーザーが自分にとって役立つワークフローを構築するために、必要なコンポーネントをドラッグアンドドロップすることができるメインの開発環境を提供する。AppEngine Templatesは、いくつかの共通タスクのフレームワークを提供することによって、その使いやすさをさらに一歩進める。

今回の新しいリリースには最近買収したLoom Systems(ルーム・システム)とAttivio(アティビオ)の製品も取り込まれている、同社はAttivioを取り込んで、AI Search(AIサーチ)という名のプラットフォーム全体の検索ツールとして再利用している。

「これにより、状況に応じた、普通の人が使いやすい結果を提供することができます。つまり、検索から得られた結果をパーソナライズして、より関連性が高く、実用上価値の高い情報に的を絞った結果を提供できるようになるのです」と彼は述べている。

彼らが買収したもう1つの企業であるLoom Systemsは、ServiceNowにAIOps(AIオプス)コンポーネントと、それを用いてプラットフォーム全体にAIを注入する能力を提供する。買収前にはLoomのCEOで共同創業者だったGab Menachem(ガブ・メナヘム)氏は、ServiceNowの一部になるプロセスは順調に進んでいるという。

「この分野のベンダーは、気がつくとお客様に科学プロジェクトを提供しているような気がします。ServiceNowにおける、2021年の焦点は(Loomを)ワークフローに組み込み、ワークフローを自然なものにすることでした。これにより、働く人たちの生産性が向上し、エンゲージメントが高くなるでしょう。それこそが私たちが焦点を当てていることで、それは私たちのすべてのお客様にとても喜んで貰えましたので、大企業への移行は本当に良いことだったと思います」とメナヘム氏はいう。

この新しいツールは、すでに利用可能だ。

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タグ:ServiceNowノーコード人工知能

画像クレジット:Andrei Stanescu / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:sako)