レストランの迅速会計フローを開発するSundayが26.1億円のシードラウンドを実施

Sunday(サンデー)をご紹介しよう。この新しいスタートアップは2400万ドル(約26億1000万円)のシードラウンドを実施し、1億4000万ドル(約152億5000万円)のポストマネー評価額となったことで、ちょっとした話題を集めている。これは数カ月前にスタートしたばかりの会社にしては大金だが、それはSundayが迅速に行動したいと考えているからだ。

Sundayが注目されているのは、Victor Lugger(ビクター・ラガー)氏、Tigrane Seydoux(ティグラン・セドゥ)氏、Christine de Wendel(クリスティーヌ・ドゥ・ウェンデル)氏の3人が設立したからだ。ラガー氏とセドゥ氏はBig Mamma(ビッグ・マンマ)の創業者であり、数年前から一緒に仕事をしている。またウェンデル氏は、フランスのZalando(ザランド)を率いた後、ManoMano(マノマノ)のCOOに就任した人物だ。

Big Mammaをご存じない方のために説明すると、彼らはフランスで十店舗以上のイタリアンレストランを立ち上げた企業だ。また、フランスのスタートアップキャンパスStation Fの、フードコートLa Felicità(ラ・フェリシタ)の運営も行っている。

料理が美味しくて、比較的リーズナブルなので、それらのお店のファンもいる。だがBig Mammaは特に長蛇の列で知られており、次のグループのために早く食べなければならないという圧力を常に感じるため、嫌っている人もいる。しかし、ここ数年にわたってうまくやってきたことは明らかだ。

パンデミックの中でBig Mammaの運営を行う中で、スピンオフ企業Sundayが米国で創業された。Sundayはメニュー検索や会計を無接触で行う手段を提供しようとしている。多くのレストラン同様に、テーブルにQRコードを置いて、顧客が携帯電話で読み取るとウェブサイトが表示されるようにするのだ。

しかし、Sundayは単にメニューを表示するだけではなく、レジシステムにも直結している。Sundayは、Oracle Micros(オラクル・マイクロ)、Brinks(ブリンクス)、Tiller(タイラー)、Zelty(ゼルティ)、Revo(レボ)、CashPad(キャッシュパッド)などをサポートしてる。顧客はまた、QRコードをスキャンして勘定を確認し、携帯電話から直接支払うことができる。食べ終わったら、その場でセルフで支払い、立ち上がって帰るだけだ。

Big MammaのレストランでそのSundayのシステムを試した結果、彼らはある程度有望な結果を得ることができた。顧客の80%がQRコードでの支払いを選択し、その結果レストランでは平均15分の待ち時間が短縮され、テーブルの回転率が向上したのだ。

そして、これがSundayを理解するための鍵だ。もし新しい決済システムを導入することで売上が上がるのなら、それをレストランに売り込むのは簡単だ。空きテーブルを探すのに苦労するような人気のあるレストランは、Sundayから大きな恩恵を受けることができるだろう。

また、新しい可能性も広がる。例えば、顧客全員がSundayをインストールして支払うことで、テーブルで直接割り勘を済ませることができる。現在Sundayは、QRコードをベースにしているが、特にQRコードに依存しているわけではない。RFIDチップやタブレットなどを使って勘定書を読み込むことも想像できる。

そのビジョンは明確だ、Sundayはレストラン向けのFast Checkout(迅速会計)システムを作りたいのである。スタートアップは、オンライン決済が、実店舗での会計システムとこの先融合すると考えている。

関連記事:オンライン決済各社への巨額投資が続くなかFastが105.8億円調達

Sundayの顧客は、月々の利用料やセットアップ費用を支払う必要はない。使用量に応じた処理手数料のみを支払うことになる。そしてその手数料は、現在店舗が使用しているクレジットカードよりも低い場合が多い。

今回のスタートアップのシードラウンドは、Coatueが主導し、New Waveが参加した。New Waveは、Pia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏が率いるヨーロッパの新しいシードファンドで、Xavier Niel(ザビエ・ニエール)氏がバックアップしている。複数のホスピタリティならびにテック系の投資家も参加している。

その狙いは、パンデミックによるチャンスがある今のうちに、多くの資金を集め、多くのレストランと契約し、市場を掌握しようというものだ。すでに40人を雇用し、ヨーロッパではまだほとんどのレストランが閉店しているにもかかわらず、レストランとの契約を進めている。

Sundayは何らかの技術的な達成そのものではなく、実行そのものなのだ。こうした会計体験を他社よりも早く展開できた会社が、市場を制することになるだろう。

レストランの営業が再開されたときには、フランス国内のEataly(イータリー)、PNY、Paris Society(パリ・ソサイエティ)、Eric Frechon(エリック・フレション)、Groupe Bertrand(ベルトラン・グループ)のレストラン(Burger King France(バーガーキングフランス)、Hippopotamus(ヒポポタマス)、Groupe Flo(フロー・グループ)などでも、SundayのQRコードを見かけるようになるだろう。Sundayは、同様に英国でも、JKSグループ(Hoppers(ホッパース), Brigadiers(ブリガディエ)、 Gymkhana(ジムカーナ)やCorbin & King(コービン&キング)などと提携している。また、米国やスペインの企業とも交渉を進めている。

現在、Sundayを採用しているレストランは全体で1000店以上ある。

Sundayの共同創業者でCEOのビクター・ラガー氏は「私たちは、Big Mammaでレストランを立ち上げた時と同じモデルを採用しています。7年前、固定費を圧縮してより良い製品を提供するために、他社の3倍の投資を行いました」と語る。

スタートアップは、すでに野心的な製品ロードマップを持っている。最終的には、過去の請求書を記録しておいたり、アレルギーを追跡したり、お気に入りの支払い方法を登録したりすることのできる、個人Sundayアカウントを持つことが想像できる。繰り返すが、これは着実に実行に向かっているのだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Sunday資金調達レストランフランスQRコード

画像クレジット:Sunday

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

レストランの迅速会計フローを開発するSundayが26.1億円のシードラウンドを実施

Sunday(サンデー)をご紹介しよう。この新しいスタートアップは2400万ドル(約26億1000万円)のシードラウンドを実施し、1億4000万ドル(約152億5000万円)のポストマネー評価額となったことで、ちょっとした話題を集めている。これは数カ月前にスタートしたばかりの会社にしては大金だが、それはSundayが迅速に行動したいと考えているからだ。

Sundayが注目されているのは、Victor Lugger(ビクター・ラガー)氏、Tigrane Seydoux(ティグラン・セドゥ)氏、Christine de Wendel(クリスティーヌ・ドゥ・ウェンデル)氏の3人が設立したからだ。ラガー氏とセドゥ氏はBig Mamma(ビッグ・マンマ)の創業者であり、数年前から一緒に仕事をしている。またウェンデル氏は、フランスのZalando(ザランド)を率いた後、ManoMano(マノマノ)のCOOに就任した人物だ。

Big Mammaをご存じない方のために説明すると、彼らはフランスで十店舗以上のイタリアンレストランを立ち上げた企業だ。また、フランスのスタートアップキャンパスStation Fの、フードコートLa Felicità(ラ・フェリシタ)の運営も行っている。

料理が美味しくて、比較的リーズナブルなので、それらのお店のファンもいる。だがBig Mammaは特に長蛇の列で知られており、次のグループのために早く食べなければならないという圧力を常に感じるため、嫌っている人もいる。しかし、ここ数年にわたってうまくやってきたことは明らかだ。

パンデミックの中でBig Mammaの運営を行う中で、スピンオフ企業Sundayが米国で創業された。Sundayはメニュー検索や会計を無接触で行う手段を提供しようとしている。多くのレストラン同様に、テーブルにQRコードを置いて、顧客が携帯電話で読み取るとウェブサイトが表示されるようにするのだ。

しかし、Sundayは単にメニューを表示するだけではなく、レジシステムにも直結している。Sundayは、Oracle Micros(オラクル・マイクロ)、Brinks(ブリンクス)、Tiller(タイラー)、Zelty(ゼルティ)、Revo(レボ)、CashPad(キャッシュパッド)などをサポートしてる。顧客はまた、QRコードをスキャンして勘定を確認し、携帯電話から直接支払うことができる。食べ終わったら、その場でセルフで支払い、立ち上がって帰るだけだ。

Big MammaのレストランでそのSundayのシステムを試した結果、彼らはある程度有望な結果を得ることができた。顧客の80%がQRコードでの支払いを選択し、その結果レストランでは平均15分の待ち時間が短縮され、テーブルの回転率が向上したのだ。

そして、これがSundayを理解するための鍵だ。もし新しい決済システムを導入することで売上が上がるのなら、それをレストランに売り込むのは簡単だ。空きテーブルを探すのに苦労するような人気のあるレストランは、Sundayから大きな恩恵を受けることができるだろう。

また、新しい可能性も広がる。例えば、顧客全員がSundayをインストールして支払うことで、テーブルで直接割り勘を済ませることができる。現在Sundayは、QRコードをベースにしているが、特にQRコードに依存しているわけではない。RFIDチップやタブレットなどを使って勘定書を読み込むことも想像できる。

そのビジョンは明確だ、Sundayはレストラン向けのFast Checkout(迅速会計)システムを作りたいのである。スタートアップは、オンライン決済が、実店舗での会計システムとこの先融合すると考えている。

関連記事:オンライン決済各社への巨額投資が続くなかFastが105.8億円調達

Sundayの顧客は、月々の利用料やセットアップ費用を支払う必要はない。使用量に応じた処理手数料のみを支払うことになる。そしてその手数料は、現在店舗が使用しているクレジットカードよりも低い場合が多い。

今回のスタートアップのシードラウンドは、Coatueが主導し、New Waveが参加した。New Waveは、Pia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏が率いるヨーロッパの新しいシードファンドで、Xavier Niel(ザビエ・ニエール)氏がバックアップしている。複数のホスピタリティならびにテック系の投資家も参加している。

その狙いは、パンデミックによるチャンスがある今のうちに、多くの資金を集め、多くのレストランと契約し、市場を掌握しようというものだ。すでに40人を雇用し、ヨーロッパではまだほとんどのレストランが閉店しているにもかかわらず、レストランとの契約を進めている。

Sundayは何らかの技術的な達成そのものではなく、実行そのものなのだ。こうした会計体験を他社よりも早く展開できた会社が、市場を制することになるだろう。

レストランの営業が再開されたときには、フランス国内のEataly(イータリー)、PNY、Paris Society(パリ・ソサイエティ)、Eric Frechon(エリック・フレション)、Groupe Bertrand(ベルトラン・グループ)のレストラン(Burger King France(バーガーキングフランス)、Hippopotamus(ヒポポタマス)、Groupe Flo(フロー・グループ)などでも、SundayのQRコードを見かけるようになるだろう。Sundayは、同様に英国でも、JKSグループ(Hoppers(ホッパース), Brigadiers(ブリガディエ)、 Gymkhana(ジムカーナ)やCorbin & King(コービン&キング)などと提携している。また、米国やスペインの企業とも交渉を進めている。

現在、Sundayを採用しているレストランは全体で1000店以上ある。

Sundayの共同創業者でCEOのビクター・ラガー氏は「私たちは、Big Mammaでレストランを立ち上げた時と同じモデルを採用しています。7年前、固定費を圧縮してより良い製品を提供するために、他社の3倍の投資を行いました」と語る。

スタートアップは、すでに野心的な製品ロードマップを持っている。最終的には、過去の請求書を記録しておいたり、アレルギーを追跡したり、お気に入りの支払い方法を登録したりすることのできる、個人Sundayアカウントを持つことが想像できる。繰り返すが、これは着実に実行に向かっているのだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Sunday資金調達レストランフランスQRコード

画像クレジット:Sunday

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)