ThoughtSpotは、データの検索機能を活用しようと考えた元Google社員のグループによって創業された。7年経った今、同社は急速に成長していて20億ドルに迫るバリュエーションが付き、さらにIPOの可能性を模索している。 そして米国時間8月28日、同社はその模索を続ける中で2億4800万ドル(約262億円)の大型資金調達となるシリーズEラウンドを発表した。
投資家には、既存の投資家であるLightspeed Venture Partners、Sapphire Ventures、Geodesic Capitalとともに、Silver LakeのレイトステージファンドであるSilver Lake Watermanが含まれる。 ThoughtSpotによれば、本日の資金調達によって資金調達総額は5億5400万ドルとなった。
同社は、SQLクエリの作成方法がわからなくても、データに関する自然言語による質問に答えることで、顧客がデータ分析を迅速に行えるように支援したいと考えている。 ユーザーが質問を入力すると、ThoughtSpotはその質問をSQLに変換し、質問に関連するデータを含むチャートをほぼ瞬時に表示する(少なくともデモでは)。
それだけではない。人工知能を利用して、質問の意図を理解し、求めている正しい答えを導き出す。 ThoughtSpotのCEOであるSudheesh Nair(スディーシュ・ナイル)氏は、人工知能が土台になっている点が同社製品の鍵だと述べている。 彼が説明するように、「ポートランドにおける赤い靴の利益率は?」といった特定の質問に対する答えを探している場合、複数の答えはない。答えは1つだけ、というケースでこそ、人工知能が本当に力を発揮する。
「こういった種類の答えを導くためにクリアすべきハードルは非常に高く、そのためには、質問の意図を理解することが重要だ。 そのためにAIを使用する。人間は『ポートランドにおける赤い靴の状況は?』と尋ねるかもしれないし、『ポートランドにおける赤い靴の利益率は?』と尋ねるかもしれない。システムは両方が同じ質問だと理解する必要がある。質問の意図を理解するために背後でAIが駆使されている」とナイル氏は語る。
ThoughtSpotは、HR、CRM、ERPなどのさまざまな内部システムに接続することによってクエリへの答えを取得し、それらシステムのデータをすべて利用して可能な限り質問に答える。 これまでのところうまく機能しているようだ。 同社は約250社もの大企業顧客を抱え、1億ドル近い売上高を見込む。
ナイル氏によれば、まだ1億ドルが銀行に残っているため必ずしも資金調達が必要だったわけではないが、目の前に現れた資金調達の機会を利用した。今回調達した資金によって、足りないピースを埋めるための買収やプラットフォームの機能を拡張したりするなど、今後柔軟な対応が可能になる。成長を加速することもできる。彼は、来年資本市場がタイトになる可能性があると考えていて、チャンスを生かしたかったとのことだ。
ナイル氏は間違いなく将来株式公開することを視野に入れている。「こうした種類のリソースが手元にあることで、我々が望むあらゆる種類のIPOを行う機会が開かれる。 私たちのビジネスの大部分を占めるグローバル2000にランクインしている顧客は、公開会社が備える透明性と安定性を高く評価しているため、我々は上場することで恩恵を受けることができるはずだ」。
そして「銀行に3億5000万ドルあれば、IPOは十分可能だ。1年半後に株式を公開する準備ができていれば、ダイレクトリスティングを含む全ての選択肢が可能となる。ダイレクトリスティングを行うと言っているのではなく、手元にある資金によってすべての選択肢が利用可能になると言いたいのだ」と付け加えた。
画像クレジット:Stuart Kinlough / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)