ナレッジ共有とポートフォリオで映像クリエイターを支援するVook、提供元が1億円を調達

映像クリエイター向けのプラットフォーム「Vook (ヴック)」を提供するアドワールは10月30日、みずほキャピタル、大和企業投資、みずほ銀行、日本政策金融公庫より総額1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

Vookは近年需要が増している映像コンテンツの制作者を支援するプラットフォーム。現在は映像制作に関する情報共有サービス「Vook note」と招待制のポートフォリオサイト「Vook port」を提供している。

Vook noteはクリエイターが現場で直面した課題やその解決方法といったノウハウをシェアするサービス。タグやお気に入り、コメントなど機能はシンプルだが、書き手・読み手ともに映像クリエイターであり、現場で使えるナレッジが蓄積されているという点が価値となりそうだ。

もうひとつのVook portは審査制のポートフォリオ共有サービスで、他ユーザーとのネットワーク作りだけでなく登録者限定のプログラムを通じてスキルアップにも活用できる。

アドワールは2016年にVookを立ち上げ、Webサービスに加えて全国で開催するユーザーイベントや合宿なども通じて、映像クリエイターのコミュニティを作ってきた。現在は国内外のカメラ、編集機材など映像制作のメーカーや販売店とのタイアップも実施している。代表取締役の岡本俊太郎氏は学生時代から映像クリエーター向けのコンテストやミートアップを主催、リアルでのクリエーターの交流などを積極的に行ってきた。その後は自身で映像制作会社を設立。この会社がアドワールの母体となった。

「ネット動画に限らず、これまで以上にたくさんの映像が作られるようになってきている。一方で機材やソフトウェアなどは拡大し、アップデートのペースも速い。そこにナレッジを提供し、いいクリエイティブを作る人を支援する。我々は『 動画時代』の金脈で金を掘るのでなく、ジーンズやつるはしを売るビジネスをしていく」(岡本氏)

今後はカメラや編集だけでなく、CG、音楽、俳優など映像に関わるあらゆるクリエイターにとって快適な制作環境を作ることを目指し、プラットフォーム事業やリアルイベントを加速させていくという。また来年にはVookに有料機能を提供することも検討している。