最近は情報の信頼性が問われることが増えているが、実名制を採用することで投稿の信頼性を担保しているグルメサイト「Retty」が好調だ。サービスを提供するRettyは7月13日、MAU(月間利用者数)3000万人を突破したことを明らかにした。
2016年7月にWiLなどからの資金調達を発表していたRetty。その際にはユーザー数2200万人(5月時点では2000万人)という数字を発表していたが、1年後の2017年5月には3000万人の大台を突破したとのことだ。登録された飲食店は約80万店舗、口コミ数は正確な数値を開示していないものの、数百万件規模になるという。
2016年12月には、フードジャーナリストや料理に造詣の深い人物らによる「TOP USER PRO」と、特定のジャンルやエリアに詳しい一般ユーザーによる「TOP USER」の認定制度を開始。現在51人のスペシャリストが認定されているが、彼らを起点にした飲食店の検索が可能になった。また2017年2月にはオウンドメディアの「Retty グルメニュース」を開始している。さらに同年6月には検索機能を強化した。
Retty代表取締役の武田和也氏はサービスの成長について、「アプリのダウンロードは引き続き伸びている。今は信頼性が求められている時代。実名投稿で信頼できるサービスであることや、信頼できる口コミが集まって検索でも上位に表示されるようになったことなどが評価されたのではないか」と説明する。
同社は五反田から麻布十番にオフィスを移転したばかり。新オフィスでは約100人のスタッフ(インターン等合わせると約170人)が働く。
「この1、2年でやってきたのはマネタイズの強化。ある程度マネタイズのめどが立てば引っ越そうと決めていたが、いよいよ黒字化も見えてきた」(武田氏)。Rettyでは現在、飲食店向けの集客支援事業と、アドネットワークやタイアップといった広告事業を展開している。今後も引き続き国内でのマネタイズを進めるが、並行してサービスの海外進出も本格化する。「すでにアジア向けにサービスを展開しているが、それは強化していく。サービスの特性として、2年くらいはコミュニティを作っていくものになる。まずはコミュニティマネージャーを置いて小さく立ち上げていっているが、比較的うまくいっている状況」(武田氏)。年内にも世界数カ国の都市ごとにサービスを提供していく考えだ。また今後はインバウンド向けの施策も検討中だという。