がん患者と臨床試験をマッチングするTrialjectory

がん患者と臨床試験をマッチングするテクノロジーを開発しているTrialjectoryは、さらに成長を続けるべく270万ドル(約2億9600万円)を調達した。

ラウンドをリードしたのはContour Venture Partnersで、調達した資金はさまざまな種類のがんの臨床試験を追加し、介護士、医薬品会社、患者らとのつながりを拡大することでTrialjectoryの事業を加速するために使うと同社は表明している。

「がんは米国で2番目の死因であり、毎年数千例が診断される今、先進治療の利用は特権ではなく必然的な選択肢だ」とTrialjectroyの共同創業者でCEOのTzvia Bader(ツヴィア・バザー)氏は言う。「そして、がん専門医が現在直面する最大の障壁は、患者の臨床試験の機会が少ないことであり、これは利用できる治療の選択肢が広がっていることが理由だ。また、患者と治療を正しく適合させるプロセスは非常に複雑で、オーダーメイド医療の増加によってその傾向はいっそう高まっている」。

現在同社は、乳がん、結腸がん、膀胱がん、黒色腫、および骨髄異形成症候群の臨床試験を取り扱っている。

Trialjectoryのソフトウェアは、自由記述された治療記録から意味のあるデータを抽出するように訓練されている。その後集めた情報を分類し、臨床試験に役立つよう患者の特徴を捉えたデータベースを作成する。患者は質問票に書き込んだ後、臨床試験とマッチングされる。

「Trialjectroryのテクノロジーは、がん専門医とテクノロジーの専門家からなる高度な経験を持つ経営チームに支えられて、伝統的ながん治療に対するわれわれの考え方を一新した」とContour Venture PartnersのBob Greene(ボブ・グリーン)氏は語った。「さらに重要なのは、自分の治療に主体的に取り組む力を患者に与えたことだ。Trialjectoryのプラットフォームが早く広まることを機体している。この会社は世界の医療界にとって必須の資源となり、あらゆる場所の患者にテーラーメイド医療を実施するために役立つだろう」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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