アプリケーションセキュリティのSnykが評価額5100億円で約326億円を調達、トップ人事を増強しIPO間近か

アプリケーションセキュリティ技術を開発するSnykは、新たな資金調達とセカンダリーセールで総額3億ドル(約326億円)を獲得し、評価額は47億ドル(約5100億円)となった。

AccelとTiger Globalが主導し、 Addition、Boldstart Ventures、Canaan Partners、Coadue、GV、Salesforce Ventures(セールスフォースベンチャーズ)、そしてBlackrockが運用するファンドを含む既存投資家が参加した今回の新規投資を入れると、同社の資金調達総額は4億7000万ドル(約510億円)にのぼる。

AccelとTigerに加え、Alkeon、Atlassian Ventures、Franklin Templeton、Geodesic Capital、Sands Capital Ventures、Temasekなどの新規投資家が参加した。

今回のシリーズEは、Snyk社にとって株式公開前の最後のラウンドになると思われる。最近のエンタープライズソフトウェア企業市場は白熱しており、Snyk社に対する評価はポジティブなものになるはずだ。

Snykのバリューと非常に高い評価額は、同社がアプリケーションセキュリティプラットフォームを提供する能力からくる。同社によると、アプリケーションセキュリティプラットフォームは、現代のアプリケーションのあらゆるコンポーネント(コード、オープンソースライブラリ、コンテナインフラ、IaCなど)に対して、セキュリティの可視化と修復を提供するよう設計されているという。

投資家たちは同社の主張を信じているようで、それは最近チームに加わったメンバーも同様だ。Elasticの元幹部である最高マーケティング・カスタマーエクスペリエンス・オフィサーのJeff Yoshimura(ジェフ・ヨシムラ)氏、Groupon(グルーポン)で働いていたCIOのErica Geil(エリカ・ガイル)氏、EMCで働いていたアジア太平洋・日本(Asia Pacific Japan、APJ)販売担当副社長のShaun McLagan(ショーン・マクレガン)氏など、主要な社員が次々と採用されている。

この資金調達後には、エンタープライズソフトウェアの寵児であり、昨年の超大型上場企業であるSnowflakeのCFOであるMichael Scarpelli(マイケル・スカルペリ)氏と、長年エンタープライズソフトウェアに投資してきたAccelのパートナーであるPing Li(ピン・リー)氏が同社の取締役となる。

「私たちが初めて会ったのはSnykチームがスタートしたばかりの頃、初期投資家としてでした」とリー氏は声明の中で述べた。「パートナーシップを通じて、Snykの開発者やセキュリティチームに対する揺るぎない献身と、彼らの当初のビジョンが現実のものとなるのを目の当たりにしてきました。2021年以降も、Snykの成功をサポートできることを楽しみにしています」。

アプリケーションの脆弱性がハッカーの攻撃手段としてますます注目されている中、Snykの今回の資金調達は行われた。同社によると、データ漏洩の約43%がアプリケーションの欠陥に起因しているという。

一方で、セキュリティに特化した開発者が少ないことから、オートメーションが担う仕事がより重要になってきている。Snykは、自動化された修復機能と、開発者のワークフローに直接セキュリティ機能を統合することで、それを実現しているという。また同社は、コーダーのセキュリティに関する質問にリアルタイムで回答するサービスも提供している。

これまでにこの一連のサービスにより、世界中で2700万人以上の開発者がSnykのツールを使用しており、また、セキュリティコーダーがSnykのプラットフォーム上で自分のツールを売り込むためのマーケットプレイスも提供している。

Atlassianのコーポレート・デベロップメント部門の責任者であるChris Hecht(クリス・ヘクト)氏は次のように述べた。「Snykのデベロッパ第一主義のセキュリティアプローチは、今日の開発者や組織にとって素晴らしいツールになると信じています。Snykはすでに当社のツールとの素晴らしい統合を披露してくれていますが、今回、Atlassian Venturesへの投資を通じて彼らとのパートナーシップを拡大することができ、とても嬉しく思っています」。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:資金調達

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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