アマゾンのマーケットプレイス出品者に売上金を毎日支払うInstaPay、支払いサイトの長さを改善

Amazon(アマゾン)のマーケットプレイスの売上を支えているは、サードパーティの売り手だ。全売上の58%を占めており、今でもシェアは伸びている。ご存知にように新型コロナウイルスのパンデミックはアマゾンにとっては追い風となりネットで買い物をする人が増え、第1四半期の売上を前年比で26%も押し上げた。

しかしながら、サードパーティの売り手にとってアマゾンとの決済条件は便利とはいえない。アマゾンの売り手に対する支払いサイト(売上金が支払われるまでの期間)はほぼ2週間のうえ、返金に備えて相当額を預託させられる。そのため、財務体力のない企業は成長と在庫の積み増しのために十分な投資ができない。

この支払いサイトの長さを解決するためにPayabilityというスタートアップは、アマゾンのマーケットプレースの売り手に融資するサービスを提供している。なお、手数料はアマゾンからの受取金額ではなく総売上をベースに計算する。

今回紹介するInstaPayは、パンデミックの影響で売り手が苦しんでいるのを見て編み出された新しいサービスだ。需要が短期的にどれだけ増えても、アマゾンからの売上金の支払い日は短縮されないので、需要増に対応した仕入れができない。さらに売り手は仕入れ先に前金で払うため、2週間のタイムラグでキャッシュフローのギャップが生じる。InstaPayの新しいプロダクトはこの問題を解決し、売り手は売上金を毎日受け取れるようになる。

もちろん、InstaPayへの手数料の支払いは必要だが、同サービスは売上の50〜80%を融資し、売上の1〜2%の手数料を徴収する。アマゾンからの支払いがあると、InstaPayは自動的に未決の勘定を控除する。これなら小規模な売り手でも手元資金を使って在庫の積み増しができる。

InstaPayのCOOを務めるSam Bokher(サム・ボカー)氏は声明で「グローバルなロックダウンのために人々はオンラインの買い物が増え、多くの企業がアマゾンなどのeコマースプラットホームに集まっています。InstaPayの新しいサービスにより、売り手にアマゾンのマーケットプレースとともに成長する機会を提供し、2週間の支払いの遅れを排除しています」と語る。

このプロダクトは意外な業界からヒントを得ている。これまでInstaPayは、運送業とトラック企業に運転資金を提供し、定率の売掛金融資と当日支払いを行っていた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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