American Expressは、様々な消費者テクノロジー企業と組み、カードメンバーがアカウントを統合できるようにすることによって新たな消費方法を提供してきた。例えば、この金融サービスの巨人は、今年新たにTwitterと提携し、メンバーがハッシュタグを使って買い物できるようにした。今日(米国時間10/8)AmExは、オンライントラベル分野での存在をさらに拡大すべく、旅行レビューおよび予約サイト大手のTripAdvisorとの協力を発表した。
基本的に、米国、英国およびオーストラリアのAmExカードホルダーは、自分のカードをTripAdvisorプロフィールと結び付けることによって、認定AmExカードメンバーとしてレビューを投稿したり、限定情報をアクセスしたり、特別な割引販売を利用できるようになる。TripAdvisorのユーザーから見ると、カードを統合したメンバーには “Amex Traveler” バッジが付いている。さらに、統合したカードで支払いその場所についてレビューを書くと、その横に「Amex カードメンバーレビュー」と表示される。AmExは、カードホルダー情報はTipAdviorに一切渡らない、と本誌に言った。
カードホルダーがTripAdvisorと統合し、レビューを書くことを喚起するために、AmExはレビュー1件につき米国およびオーストラリアでは5ドル、英国では5ポンドのクレジットを明細書に付加する。
この統合は、American ExpressのSpend Graphも活用する。これはカードメンバーの支払いと場所のデータを示す匿名の集合マップで、旅行者の食事、宿泊、エンターテイメントのトレンドを見ることができる。つまりメンバーは、ロンドンでビジネス旅行者が最も多く食事をした店や泊ったホテル、あるいはパリで「グルメ」たちが食べる店等のリストを利用できる。AmExによると、同社はカードメンバーのためのペルソナ(「世界旅行家」、「厳密に仕事のみ」等)を作っており、こうした匿名のペルソナ毎に、レストランやホテルに関連する消費パターンやトレンドを深くデータ分析していると言っている。
TripAdvisorに統合したカードメンバーには、数々のユニークな特典を利用できる。この特典の適用を受けるには、TripAdvisorの画面上で特典をクリックして、統合されたAmerican Expressカードに保存すればよい。割引は自動的に適用される。このSyncテクノロジーは、Facebook、Foursquare、Twitter、およびXboxのクーポンレス特典にも利用されている。
今年に入ってから何十万人ものAmExユーザーが自分のアカウントをTwitterやFacebook等に結び付けた。旅行が多くの人にとって大きな消費であることを踏まえると、クレジットその他の特典は、カードホルダーたちがアカウントを統合する有力なインセンティブになりそうだ。
しかし、この発表でさらに興味深いのは、AmExがペルソナを使って行うデータ分析だ。AmExによると、この消費傾向グラフはこれまで消費者に公開されたことがなかった。AmExがこれを旅行以外にどう広げていくか、私は興味を持って見ている。おそらく、食品、ショッピング等のカテゴリーだろう。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)