先日からサムライインキュベートの「 Samurai Incubate Fund5号投資事業有限責任組合」の出資先であるrighTune、CyberTiger、Parklifeの3社を紹介してきた。サムライは今回、イスラエルを拠点とする観光地情報やルートを紹介するサービスであるyapQに10万ドルを投資したことを明らかにした。TechCrunch JapanはyapQの共同ファウンダーでCEOを務めるYossi Neimanにサービスの特徴について話を聞いた。
yapQはYossi Neimanが2015年2月に立ち上げたサービスで、旅行者に観光名所を紹介するものだ。旅行者はyapQで現在地から近い観光名所を探し、観光名所までのルートや観光地の詳細情報を確認することができる。観光地の情報はWikipediaのデータを利用しているという。サービスを作ったきっかけについてNeimanは「有名な観光名所の近くにいたのに、知らずに通りすぎてしまっていたというような経験を減らすためです」と話す。
現在yapQはウェブ版、そしてiOSとAndroidのモバイルアプリから利用できる。yapQのモバイルアプリは、ユーザーの現在地から20分で回ることができる観光名所をピックアップして案内する。観光名所を歩きながらその場所に関する情報を音声で再生して聞くことができる。アプリはリアルタイムの観光案内になるのだ。
モバイルアプリとウェブ版の他にもyapQはAirbnbとBooking.com用のChromeのプラグインツールを提供している。ユーザーはこのプラグインツールを使用することで、AirbnbやBooking.comの宿泊先に近い観光名所や周辺環境を調べることができる。掲載の通りに観光名所に近いかどうかなどが分かるため、ユーザーの安心感につながるとNeimanはいう。
また、yapQで観光地を検索すると、オススメの観光名所を知ることができる。例えば、「ロンドン」と検索すると「大英博物館」や「バッキンガム宮殿」といった20のオススメの観光名所が表示される。良くあるキュレーションサイトのようだが、彼らは観光名所の選定に独自のアルゴリズムを使用しているという。InstagramのSNSの写真に付いているジオタグと観光名所を照らし合わせ、SNSでの人気度を計測することでオススメの観光名所を選んでいるそうだ。
yapQのサイトには現在5万人ほどのユーザーが訪れているという。彼らはユーザー獲得もさることながら、ユーザーのリテンション率の改善に注力している。その理由について「ユーザーがまた利用したいと思うサービスにすることを目標としているからです」とNeimanは説明する。yapQのリテンション率は16%で、一般的な観光情報を掲載するサイトより高い数値であるとした。
yapQは12言語に対応している。これからイスラエルの他にドイツ、ロシア、日本のユーザーにリーチし、海外展開に力を入れる予定だそうだ。また、彼らのアルゴリズムは観光名所の選定だけではなく、例えば評判の良いレストランや病院、小売店などを検出することも可能だという。将来的には、観光に限らず彼らが開発したアルゴリズムと相性の良い領域で新たなサービスを展開することも考えているそうだ。