インドの情報放送省がNetflixなどの動画配信サービスやオンラインコンテンツの規制に乗り出す

インドの情報放送省(Ministry of Information and Broadcasting)は、インド国内のテレビや劇場で放映・上映される番組・作品を監督しているが、新たにストリーミングプラットフォームやデジタルニュースアウトレットも規制対象に加える。この動きは、オンラインサービスが提供するものに対して、頻繁かつより厳しい規制がかかるようになるのではと考えられている中で行われた。

インドのRam Nath Kovind(ラム・ナート・コヴィンド)大統領によって署名された、この新しい規則は、国家による広範な規制を避けるために、デジタル企業たちが何年も続けてきた(MEDIANAMA記事)コンテンツの自主規制努力を終わらせるものだ。これまでテレビチャンネルや劇場に対して適用されてきた規制は、プラットフォーム上に乗せて良いプログラムを左右するものだった。ストリーミングプラットフォームは引き続き自己規制を続けることが許され、情報放送省への報告が義務付けられるだろう。これはテレビが放送コードに準拠し、その自主規制団体(Indian Broadcasting Foundationサイト)が情報放送省と協力しているやりかたと似ている。しかし現時点では明確ではない。

例えば情報放送省は現在、国内の映画館で上映される映画の許可と、そうした許可を得るためにどの部分をカットもしくは改変すべきかの認定を行っている。しかし、Netflix(ネットフリックス)やAmazon Prime Video(アマゾン・プライム・ビデオ)などのサービスに登場する映画や番組は、これまでは認定を必要とせず、より過激な内容が幅広く許容されていた。

情報放送省は、以前に国内のテレビチャンネルに対して、過激なドキュメンタリーを放映しないようにという命令を下している(CNN記事)。

インドの電子情報技術省(Ministry of Electronics & Information Technology)は、かつてはオンラインストリーミングサービスを監督していたが、大きな変更を強制してはいなかった。また同省は、ユーザーが動画を投稿するプラットフォームも監督している。

インド情報放送省当局は、インド国内で約6億人のインターネットユーザーを抱えるオンラインプラットフォームの普及にともない、従来のメディアソースと同等の規制がオンラインプラットフォームにも必要になると、これまでも主張してきた。

「すべてのメディアに対して、公平な競技場が与えられなければなりません。しかしそれは、すべてのプレイヤーを厳しい規制構造の下に置くことを意味するものではありません。私たちの政府は、ビジネスの容易さと少ない規制、ただしより効果的な規制に焦点を当てています」と、2020年始めに情報放送省のAmit Khare(アミット・カレ)長官は語っている(MEDIANAMA記事)。

世界第2位のインターネット市場であるインドの動きは、Netflix、Amazon Prime Video、ディズニーのHotstar(ホットスター)、 Times Internet(タイムズインターネット)のMX Player 、その他のストリーミングサービスやウェブベースのニュースアウトレットたちに、自身のプラットフォーム上で何をストリーム配信し公開すべきかに対して、注意深くさせることだろう。と、トップストリーミングサービスの1社のある幹部は、TeckCrunchに対して匿名を条件に語った。

これまでインド事業に5億ドル(約527億7000万円)以上注ぎ込んできたNetflixは、コメントを拒否した。

「時事問題」をカバーするデジタルニュースの配給企業やプラットフォームも、インド情報放送省の監督を受けることになる。長年にわたり、インド政府は、ニュースチャンネルたちが視聴者に見せるものを規制するために、広告主に圧力をかける(The New York Times記事)ことを始めとして、さまざまな策を弄し続けている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:動画配信インド

画像クレジット:Indranil MUKHERJEE / AFP / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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