Elon Musk(イーロン・マスク)氏によるNeuralinkのプレゼンテーションは、あくまでも科学が主役だが、人間の脳をコンピューターが推理するという彼のこの企業では、同社が披露した外科手術ロボットが単独で脚光を浴びた。ポリカボネート製で丸みを帯びたSF的なデザインの脳手術ロボットは、ビデオゲームの「Portal」に登場しきそうだが、実際にはバンクーバーの工業デザイン会社であるWoke Studioの作品だ。詳しくいうと、Neuralinkのエンジニアや科学者が基礎となる技術を開発しているが、Woke Studioがロボットの外見とユーザー体験をデザインした。プレゼンテーションで披露された耳の後ろにつける通信端末も、Wokeが作ったものだ。
Neuralinkのロボットは清潔さに配慮した純白で(Woke Studioによると無菌性を確保するためにも純白)、弧を描くラインや滑らかな表面をが特徴で、その外見は高度な技術力を示していると同時に、人の気持ちをほっとさせるような、親しみやすい要素もある。
「マシンが動いているとき患者は起きていないと思われるが、しかしそれでも、イーロン・マスク氏のポートフォリオにある象徴的なマシンでありながら、親しみやすいロボットのデザインにすることは重要だった。また衛生やメンテナンスの面での医学的要件も極めて多く、オペレーターに安全でシームレスな使用感を与えることも必要だった」とプレスリリースでは語られている。
Woke Studioによると、Neuralinkの外科手術ロボットは主要なパーツは3つある。ヘッドとボディとベースだ。ロボットのヘッドはヘルメットに似た部分で、それが実際に患者の頭を保持する。中には手術針のガイドや、患者の脳をマップするためのカメラやセンサーが内蔵されている。内側のミント色も含めて、この部品の設計意図はロボットに「擬人化された性格」を与えて、手術過程の侵襲的な性質から気持ちをそらすことだ。ヘルメットの内側には使い捨ての袋があり、滅菌処理用に使われる。
Neuralinkのロボットのボディは後部の盛り上がった組み立て部分で、そこにロボットの動作に必要なパーツがすべて収められている。第3の部品であるベースは、全体を傾かないようにするのが仕事だが、この脳ロボット本体のコンピューターの脳もそこにあるようだ。
Neuralinkはイーロン・マスク氏が設立した企業で、彼が人間の生命にとって潜在的で実存的な脅威と見ているものを軽減することを目的としている。その脅威とは、人工知能が人間より優位に立つことだ。近い将来の目標は、脳組織の損傷によって引き起こされる病状への対処を支援することだが、マスク氏は最終的に、Neuralinkが人間が高度なAIに追いつけるように遅延のない、直接指向入力を提供することによって、人間を支援できるようになることを望んでいる。
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タグ:Neuralink イーロン・マスク / Elon Musk
画像クレジット: Woke Studio
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)