史上初めて、バークリー(Berkeley, カリフォルニア大学バークリー校)の「コンピュータ科学入門」の受講生は、女性(106名)が男性(104名)を上回った。いわゆるリケジョの人気というトレンドが、この超名門校に浸透してきたのかもしれない。
ただし、これはまだ、例外的な現象だ。National Science Foundationによると、2010年現在ではコンピュータ科学の学位取得者のうち女性は、わずか18.4%にすぎない。しかもそれは、1991年の29.6%から、一貫して減りつづけているのだ。
昨春、バークリーでこのコースを担当したDan Garcia教授によると、女性が増えたのはカリキュラムを大改革したせいだろう、という。チームでプロジェクトを進める、オープンソースの教材を使う、教育助手のバイトができる、などなどの新しい方針が施行されたのだ。“今の新しいコースとカリキュラムは、本当に“コンピューティングの美と楽しさ”を表現できている。勉強が、すごく楽しくなっているのだ”、とGarcia教授は言っている。
ただし、まだ喜んでいる場合ではない。合衆国以外の国では、性差はもっと大きい。たとえばイギリスの大学では、学位取得者全体では女性60%対男性40%と女性が多いにもかかわらず、コンピュータ科学では男性82%女性17%になる(2011-2012学年度)。
この性差の起源は、早い場合は高校にある。大学の初期課程を高校で取れてしまうアドバンスドプレースメント(AP–下図)の場合、統計学と生物学と微分積分学では性差がほとんどないが、コンピュータ科学のみ、男性の比率が極端に大きい(下図右上)。(図はExploring Computer Scienceより、原データはCollege Board)。
Garciaは、女性がコンピュータ科学に関心を持ちにくい原因がいろいろある、と言う。それはたとえば、“学部にも大学院にもコンピュータ業界にも女性の役割モデルがないこと”だ。上級コースに進んでも、競争の激しいテク業界には、仕事が得られる保証がない。
実際には、昨秋からの受講生では男性が53%と多く、今年の春からの受講生は女性が再び50.6%とアップした。
バークリーはシリコンバレーに多くの人材を供給している大学の一つだから、何もせずに自然現象的に女性受講者が増えたわけではなく、上述のようにカリキュラムやコースの大改革を行っている。女性人気が、これからもより高まりつつ続けば、全国のそのほかの大学も真似をするモデルになり、コンピュータ科学==男の領分、という神話は崩れるだろう。
画像: Flickr/brainchildvn; CC by 2.0のライセンスによる。
〔余計な訳注: コンピュータ利用を「コンピュータ科学」という特定学科に閉じ込めるのが、いけないのでは? 日本語の文章書くのに「日本語日本文学」の履修はいらないだろ?〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))