クラウドソーシングの仕組みを活用して、ゲームイラストやマンガなどのコンテンツ制作を行うフーモア。同社は6月5日、みらい創造機構を含む6社と個人投資家3名を引受先とする第三者割当増資に加え、日本政策金融公庫からの融資により総額で2.6億円を調達したことを明らかにした。
今回のラウンドに参加した投資家陣は以下の通り。
- みらい創造機構
- ジュピターテレコム
- iSGS インベストメントワークス
- 一般社団法人 CiP 協議会
- DG インキュベーション(既存投資家)
- DK Gate(既存投資家)
- 個人投資家3名
今回の調達を受けてフーモアでは組織体制を強化しクリエイタープラットフォームの拡大を目指すほか、映像化やゲームなどメディア展開を前提としたコンテンツの原作開発を進める方針だ。
なおフーモアは2011年の設立で、2015年12月にもDG インキュベーションとDK Gateから2億円を調達している。
クリエイターが創作活動を通じて評価されるプラットフォームへ
冒頭でも触れた通り、フーモアではクラウドソーシングを通じてゲーム向けのイラストやプロモーション用のマンガコンテンツを制作してきた。登録クリエイター数は国内外で6000名以上。制作工程を分業するスキームを活用し、手がけたコンテンツは累計で4000〜5000本に及ぶ。
フーモアではこのクリエイターネットワークとノウハウを生かし、クリエイターが世界中で創作活動を通じて評価されるプラットフォームの実現に向けて「クリエイターグローバルプラットフォーム構築の拡大」を中長期の戦略に掲げている。今回の調達もこの戦略をさらに推進するためのものだ。
「これまではクリエイターがクリエイターとしてだけで食べていく世界観というのは非常に限定的だった。我々が実現したいのは、あくまでクリエイターがクリエイターとしてしっかりと社会的に評価されることだ」(フーモア取締役COOの松田崇義氏)
松田氏の話では普段の仕事を提供するのはもちろん「ライフイベントで融資ができるようにしたり、手に職をつけるために雇用先を斡旋したり、アートディレクションという仕事をしっかりと教育する支援をしたりといったように、クリエイターのあらゆる活動を支援するプラットフォーム」をグローバルで目指していくという。
またアニメや映画などの映像化、ゲーム化、商品化などのメディア展開を目的としたコンテンツの原作開発にも力を入れる。これについては先日TechCrunchでも紹介した通り、ジュピターテレコムと業務提携を締結した。
今後は同社の100%子会社であるアスミック・エースと共同で電子コミックやライトノベル、ノベルアプリなどを制作。自社で管理できるIPを保有しマネタイズできる仕組みを構築する計画だ。
フーモア代表取締役の芝辻幹也氏は「今回の資金調達を皮切りに、クリエイターのグローバルエコシステムを構築し、エンターテインメントを前進させていきたい」とコメントしている。