Google(グーグル)は米国時間3月17日、大規模な配送車両を運用する企業向けの2つの新しいツール、Last Mile Fleet SolutionとCloud Fleet Routing APIを発表した。Google Maps Platformの一部である新しいLast Mile Fleet Solutionは、注文から配送までのラストマイル配送プロセスの各ステップを最適化することに重点を置いている。その名の通り、Google Cloudの一部である新しいRouting APIは、配送車両のフリート全体のルートプランニングに重点を置いている。
Last Mile Fleet Solutionは、現在パブリックプレビュー中だ。Cloud Fleet Routing API は2022年の第2四半期に一般利用が可能になる予定とのこと。どちらも企業向けサービスであるため、価格情報は公開されておらず、どちらの製品も潜在的な顧客はGoogleの営業チームと連絡を取る必要がある。
「パンデミックは、すでに急増していたeコマースと配送件数の両方をさらに加速させました。配送ネットワークへの負担の増加に加え、ドライバー不足、住所データの不備、工場の閉鎖、燃料価格の上昇など、多くの要因が配送時間や成功率に影響を与えました」と、Google Cloudのグローバルサプライチェーン&物流業担当マネージングディレクターであるHans Thalbauer(ハンス・タルバウアー)氏は述べている。「Google Maps PlatformのLast Mile Fleet SolutionとCloud Fleet Routing APIにより、配送フリート事業者がこれらの問題に対処し、消費者、ドライバー、フリートマネージャーにシームレスな体験を提供することが容易になります」とも。
Google Maps Platformは、企業がオンデマンドでドライバーを派遣するためのソリューション「On-demand Rides & Delivery」をすでに提供している。同社は、新しいLast Mile Fleet Solutionは、このサービスをベースにしていると述べている。
一方、Fleet Routing APIは、企業のルートプランニングを支援するまったく新しいGoogle Cloudサービスだ。ユーザーはこれを使って社内の車両管理システム用のツールを構築し、時間帯、荷物の重量、車両の容量など特定の制約条件に基づいてシステムが配送ルートを最適化させるために利用できる。その過程で、サステナビリティの目標達成に向けたルートの最適化も可能になるという。
英国を拠点とする宅配便サービス、PaackのCTO兼CPOであるOlivier Colinet(オリヴィエ・コリネ)氏はこう語る。「Paackでは、欧州で最大級のeコマース小売業者が毎月受け取る数百万件の注文に対して、優れた配送体験を実現するための支援にこだわっています。迅速にスケールアップするために、Last Mile Fleet SolutionとCloud Fleet Routingを採用しました。これにより、ドライバーとフリートマネージャーは最高の効率を維持し、98%の定時・初回配達率を超えることができました」。
画像クレジット:Bruce Bennett/Getty Images / Getty Images
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Den Nakano)