ゲーマー向けチャットサービスのDiscordでの迷惑行為通報が昨年から倍増

Discord(ディスコード)が今年前半6カ月の透明性レポートを発行した。最大の注目は、通報数がほぼ倍増したことで、新型コロナウイルスの感染蔓延中にユーザーが急増し、月間アクティブユーザー1億人を超えたことが主な理由だ。ゲーマー、ストリーマー向けメッセージチャットプラットフォームであるDiscordは、現在評価額35億ドル(約3740億円)程度と言われている。

同レポートによると、Discrodは2020年1~6月の間に23万5000通の通報を受け取り、前回報告した2019年6~12月の12万8000通を2倍近く上回った。

Discordによると、スパムに関連する事象の65%に対して何らかの措置を行い、その結果アカウント400万件を削除した。ハラスメントの事例は13%だった。スパム行為は明確に識別できるが、ハラスメントのような主観的事象は通報の中で「最も行動をとりにくい」部類に入るとDiscordは説明する。

2020年1~6月に対応した通報の割合(画像クレジット:Discord)

それでもDiscordは、ほかのどの通報種別よりもハラスメントに関して多くのユーザーに警告を与えていると語った。Discordは害を与える可能性のある行為に対して、いきなり削除するのではなく警告を発してユーザーを教育している。ほとんどの場合、警告は成功しているようだ。ハラスメントに関する警告を行ったユーザーのうち「削除されるのは3%に過ぎない」とのこと。

Discordは、無断で他人の写真を載せるなど、悪質コンテンツを投稿した16万2621アカウントを削除したとも言っている。なお同社の以前のレポートで、事前のアカウント削除について情報公開していなかったことを人権団体が批判していた(ADL記事)。

ほかにも、搾取的コンテンツの投稿やハッキング、詐欺行為などで5000以上のサーバーを排除したとDiscordは話した。合意を得ていない画像を共有していたネットワークに属していたサーバー700カ所を削除したと同社は言った。「我々のプラットフォームに合意なきポルノの居場所はない。今後もそのようなコミュニティーやそのメンバーに対して迅速な行動を起こしていく」とのことだ。

他のテック企業と異なり、Discrodは警察当局から受けた要求の数を公開していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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