スマホでバーチャル試着──ファッションECで「サイズの悩み」解消をうたうunisize、一般向けサービスがローンチ

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メイキップは、ECサイトで洋服を購入する際に、最適なサイズをレコメンドする一般消費者向けサービス 「unisize(ユニサイズ)」をローンチした。1分程度で終わるアンケートに答えるだけで、その人の身体にあった洋服のサイズを推奨するという。サービスは無料で提供し、広告モデルによる収益化を目指す。

unisizeは、ECサイトで服を購入する際にありがちな、サイズの心配の解消をうたうサービスだ。20万点・2000ブランドにのぼる服の色やサイズ情報を蓄積している。

使い方としては、スマートフォンのみで閲覧できるunisizeのウェブページ上で、他のECサイトで見かけた欲しい服の商品名やブランド名を検索する。お目当ての服がヒットしたら、1分程度で終わる簡単なアンケートに答えるだけで、「あなたにはLサイズ」「あなたにはSサイズ」といった具合に、その人に適切なサイズを推奨してくれる。店舗で実際に試着しなくても、スマートフォンの操作だけで自分に合うサイズがわかるというわけだ。

技術的には、まず身長や年齢・性別に応じた体型データを用意。それに加えてアンケートで、よく購入するブランドのサイズを回答することで、おおまかな体型を推定。あとは、腕や足の長さといった普段気になる部位を回答して、補正をかける仕組みだ。unisizeが蓄積する20万点にのぼる服のサイズ情報は、インターネットをクロールして集めているが、その際にはブランドごとにバラバラなサイズ表記や、「グリーン」や「オリーブ」といった色名のフォーマットも統一している。

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欲しい洋服を検索し、よく選んでいるブランドのサイズなどを回答

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腕の長さなどの普段気になる体の部位を回答、するとおすすめのサイズがレコメンドされる

競合となるバーチャル試着サービスは、Virtusizeや楽天が買収したFits.meがあるし、BtoB向けならTrue Fitもある。それらと比較した強みについて、メイキップ代表取締役社長の柄本真吾氏は「メジャーで身体を測らずに済む」点を挙げ、さらに「PCの時代は手元のメジャーで測れたが、今はスマホの時代」とも話す。つまり、手元のスマートフォンだけでフィッティングが完了するunisizeは、モバイルECへの適応度が高いという説明だ。

気になるレコメンドの精度だが、具体的な数字はまだ出していない。ただ、精度を高めることを目的に洋服レンタルサービスのairCloset(エアー クローゼット)と業務提携。「ワンピースに関するサイズ満足度は20代女性が高い」「パンツのサイズ満足度は全体的に低い」といったフィードバックを得て、それに応じて評価方法を見直す仕組みも整えているという。

なおunisizeは一般消費者向けに先行して、2016年2月8日より法人向けサービスを開始している。ファッションECサイトの夢展望における導入例では、導入前との比較でコンバージョンレートが2.5倍になった事例もあるという。また、詳細は明かせないものの、海外の大手ファストファッションブランドが運営するECサイトへの導入交渉も進んでいるとしている。

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一般ユーザー向けに先行してローンチしていた法人向けunisize

unisizeを立ち上げた理由について、柄本氏は「学生時代にラグビー部に所属していて、自分に合うサイズの服がなかなか無かった」と服選びの苦労を話す。前職のドリコムでは広告本部長などを歴任。その前はWEB広告・マーケティング事業を展開するセプテーニにいた。広告畑を歩んできたという同氏だが、インターネットや事業の可能性を目の当たりにして、自分で事業を興したいという気持ちが強くなったと話す。そこで2015年2月にメイキップを設立した。

なおメイキップは、unisizeとは別に展開するWEBマーケティング事業でマネタイズをしており、現在はこれと銀行からの借り入れで運営している。今後はさらなる事業拡大のため、シリーズAに向け億単位も想定した資金の調達を検討しているという。

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左からメイキップ取締役 山崎慎一氏、同代表取締役社長 柄本真吾氏、同ディレクターの森本裕介氏

ユーザー向けunisizeはローンチ時点ではウェブ版のみの提供だが、機能拡張に伴ってアプリ版の開発も想定している。また、サイズ以外に服の形や素材、コーディネートといった服に関する総合的な情報の提供も目指している。

今後の展望について柄本氏は「我々がイメージしているのはプラットフォーム。洋服やユーザーの身体の情報を蓄積し、そのマッチングポイントで価値を提供する」とし「ファッションECにおけるインフラになりたい」とも語った。

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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。