家具の運搬は面倒な作業だ。
Fetchは、Uber XLの車のトランクにおさまらないようなものを運ぼうとしている人のためにサービスを提供している。アトランタを皮切りにローンチしたこのサービスでは、トラックやバンを最短1時間から最長数日間まで簡単に借りることができる。
現在はトラックのレンタルサービスを運営しているFetchだが、2015年にY Combinatorのプログラムに参加したときには全く別の事業に取り組んでいた。ウェビナーを簡略化するBreakout Roomというサービスの後に生まれたのがFetchなのだ。「ピボットしないで出来る限りのことをやろうとしていましたが、残念ながら私たちのサービスはそこまで人に求められていないという結論にたどり着きました」とCEOのAdam Steinbergは話す。「Breakout Roomのローンチから1年くらい経った頃、共同ファウンダーと私は互いの顔を見合わせて『自分たちは一体何をやっているんだ?』と尋ねあったほどです」
それから共同ファウンダーのふたりは、自分たちが体験したことのある問題の解決に取り組もうと考えた。その問題こそが、短時間の運搬作業だったのだ。そして昨年の10月、トラックのレンタルサービスというコンセプトを試すため、彼らは数台のトラックを使ってパイロット版をローンチした。その結果、需要は間違いなく存在することがわかったとSteinbergは言う。
Gataroundをはじめとする人気のカーレンタルサービスのおかげで、簡単に日帰り旅行ができるようになったように、Fetchはユーザーが何かを運びたいときに面倒な手続きや書類なしでトラックを借りられるようなサービスを提供しようとしているのだ。
料金は車の種類(ピックアップトラックから載積量の多いカーゴバンまで準備されている)によって変わってくるが、平均で1時間あたり10〜20ドルもしくは1日あたり50〜100ドルに設定されている。ユーザーは近くにあるトラックの検索から、Fetchのチームが開発した鍵の解錠まで全てモバイルアプリ上で行える。
車とトラックのレンタルというのはかなり似ているところが多いが、Fetchの強みになるような重要な違いもいくつかある。
「カーシェアリングサービスでは、車のダメージや修理というのが1番大きな問題になってきます。というのも、BMWやトヨタの車を借りるとき、ユーザーは傷のない綺麗なものを借りたいと思いますからね」とSteinbergは語る。「しかしトラックの場合は、ものを運ぶという具体的な目的があるため、安全に運転できさえすれば多少の傷は気にしないという人が多いんです」
現在のところ、Fetchは自社で保有しているトラックやバンの貸出のみ行っており、アトランタに15台の車両を配備しているが、今後は毎月4〜5台ずつトラックの数を増やす予定だ。また、3人という少数精鋭のFetchのチームは、まずアトランタ市内でしっかりと基盤を築き、それから近隣地域へ進出していこうと考えている。
[原文へ]
(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)