地図の作成(ないし地図の“生成”)など地理的空間を扱うプラットホームは、今日のWebやアプリにとって欠かせない。だからこそ、Apple Mapsがお粗末な出来栄えでローンチしたとき、大騒動になったのだ。だからこそ、地図作成を担う大小の企業が、この魅力的でしかも重要な分野で栄え続ける。地図や、地図を主体とするデータ視覚化を、動的にリアルタイムに生成する処理は、まだ最終安定解のない大きな問題だからだ。
今日(米国時間9/10)は、Web上の地図作成や地理空間処理を提供するプラットホームCartoDBが、ベルリンのVC Earlybird Venture Capitalが率いるシリーズAのラウンドにより、800万ドルを調達した。既存の投資家Kibo VenturesとVitamina Kも、このラウンドに参加した。資金は主に、企業の規模拡大に使われる。同社はスペインのマドリッドで起業し、今ではニューヨークに本社がある。
地図作成(mapping)や地理空間(geospatial)アプリケーションをオープンソースで提供している同社は、今やユーザ数が5万を超え、実際に使われているアプリケーションは10万以上ある。
同社の競合他社は、EsriやGoogle Maps Engine(Google MapsのB2B部門)だ。MapboxやHere(Nokiaが保有)も、ある意味では競合する。しかしCartoDBの売りはあくまでも、リアルタイムで動的な地図生成と視覚化にある。また、地図の“ストーリー化”(storytelling)にも力を入れたい、と同社は言っている。それはソーシャルネットワークのデータやコンテンツを地図上にリアルタイムでオーバレイしていく機能のことだ。
このストーリー化が普及すれば、コンスタントにアップデートされるデータやコンテンツを軸に、地図ベースのコミュニティが生まれるだろう。またそういうコミュニティを作るためのアプリケーションを、同プラットホームが提供するWebエディタや同社のAPIで制作できるようになる。
同社が作った地図上のソーシャルメディア層の例として、ニューアルバムをリリースしたBeyoncéに関するツイートがある。また、Deloitte、Twitter、NASA、UN(国連)、 National Park Serviceなどの大きな企業や団体、大学ではStanford、Yale、 Columbiaなどが、大規模なリアルタイムデータの分析に利用している。たとえばこれは、都市再生に関する地図だ。
インドの選挙のために作った地図もあるし、Twitter上のスーパーボウルもある。
GIS技術の市場は25億ドル、データ視覚化の市場は42億ドル規模と言われる。本誌TechCrunchも、今後まだまだ見ていかなければならない業界だ。
そんな中でCartoDBは、出足好調と言えるだろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))