リコーが360°カメラをバージョンアップした。新しいモデルはTHETA Vと呼ばれ、4Kビデオ録画、より高い没入感を得られるスペーシャル・オーディオ録音、ライブストリーミングなどをサポートする。
リコーのTHETAは360°カメラのパイオニアであり、高い人気を得ていたが、ここしばらくバージョンアップがなかった。今回の新モデル登場でTHETAは待ち望まれていた現代化を果たした。
リコー THETA VはまたWiFiデータ転送速度を大幅にアップし、現行モデルの2.5倍とした。露出とホワイトバランスの正確性も改良されダイナミックレンジも広げられた。リコーはこれによってあらゆる照明条件下で従来より質の高い画像が得られるとしている。またこうした高度なテクノロジーは同社のPentaxデジタル一眼レフ・スリーズから移植したものだという。
THETA Vは4Kビデオに加えて14メガピクセルの静止画を撮影し、内蔵の19GBフラッシュメモリに保存する。この容量は静止画なら4800枚、4K動画なら約40分に相当する。記録フォーマットはH.264ビデオコーデックをサポートする。ユーザーは専用アプリを用いBluetooth LEを介してスマートフォンからTHETA Vを操作できる。Wi-Fiで接続すればデータ転送速度は速くなる。
THETA Vのもう一つの新機能はソフトウェア・プラグインのサポートだ。つまりリコーは将来プラグインを投入することによってTHETA Vに新しい能力を追加できる。このシステムを活用した最初のプラグインはリモート再生機能だ。これはカメラで撮影した画像をテレビその他、接続可能なデバイス上でミラーリング再生するもの。
サラウンド録音できるスペーシャル・オーディオもクールな機能だ。360°カメラにはきわめて有効だが、THETA Vのライバルには内蔵されている例は少ない。能力は実際にテストしてから判断したいが、VR再生には特に重要となる機能だ。
リコーでは、別売のアクセサリーとして3Dオーディオを録音できるマイク・キット(269.99ドル)、水深10メートル程度まで対応できる水中ハウジングを用意している。
THETA Vの価格は429.95ドル。今日(米国時間8/31)からリコーのウェブサイトを始めとする通常のチャンネルから発売される。 3Dマイクは同時に発売されるが、水中ハウジングの発売は10月になる。価格は199.95ドル。
リコーが 2013年にオリジナルのTHETAを発売して以後、360°カメラにはライバルが多数登場した。今週発表されたInsta360 Oneはその最新の例だ。しかしTHETA Vはリコーの製品だけあって高品質で信頼性も高く、消費者向け360°カメラとして最高の実績を持っている。発売開始でこの分野の競争はさらに激しくなりそうだ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)