検索とウェブにおける企業のプレゼンスの管理を支援しているYextが、米国時間10月29日、企業のウェブサイト上でのエクスペリエンスを向上させるYext Answersを公開した。
YextのCEOのHoward Lerman(ハワード・ラーマン)氏は筆者に対し「Yext Answersを使うと、企業のウェブサイト上で自社のブランドに関する質問にGoogleのようなエクスペリエンスで答えられる」と語った。
ラーマン氏はYext Answersについて同社のOnwardカンファレンスで正式に発表したが、これが以前から検討されていた構想だったことは明らかだ。今年5月のインタビューで同氏は、ユーザーが生成するコンテンツは「絶対的」と表現し、Yextの設立の原則は「ビックマックのカロリーに関する究極の第一人者はマクドナルドということだ」と主張していた。
Yext Answersの公式発表の前日、ラーマン氏は筆者に対する新しいプロダクトのデモで、Google検索を何度も見せた。例えば「学生の当座預金口座」と検索したら、ブランドが検索結果として表示されてほしいが、実際の検索結果はほとんどがSEO最適化されたアドバイスだったり、第三者のサイトに掲載されているハウツー記事だったりする。
「検索の世界は、こうした自称専門家たちによって混乱してしまっている」と同氏は言う。
Yext Answersは、ブランドのウェブサイトを特定のトピックに関する消費者の情報源にすることを目指している。ラーマン氏は、サイト内検索に問題があることが大きな障害だという。「企業のサイトで使われているのは1995年のアルゴリズムだ。キーワードベースのドキュメント検索をいまだに利用している」。だから、正しいキーワードを正しい順番で入力しなくては、役に立つ検索結果を得られない。そこでYextはおそらく2年間かけて、自然言語処理テクノロジーを活用した独自の検索エンジンを構築した。
こうして「10分以内で作れるブロッコリーチーズスープのレシピ」といった複雑な話し言葉の質問を扱えるようになったことを、ラーマン氏は筆者に示した。同氏は、質問に対して直接答えを表示したり、店舗の場所を検索したら地図で示すなど、Googleのように検索結果をさまざまな形式で提示することに挑戦しているとも話した。
さらにYext Answersを利用する企業は、人々が自社のサイトで何を検索しているかを分析することもできる。サイトに答えがない質問が検索されていれば、自社のナレッジベースを利用して新たな内容を公開できるかもしれない。そしてその結果、新しい内容はほかのケースでも検索結果として表示されるようになる。
Yext Answersは、Three Mobile、BBVA USA、IHA、医療機関のHealthcare Associates of Texasなどでベータテストが実施されてきた。Yextのサイトで実際に試してみることもできる。
Healthcare Associates of Texasのマーケティングディレクター、Lori Gillen(ロリー・ギレン)氏は声明の中で次のように述べている。「Yext Answersのレベルは高く、検索が予測と洞察を得られるツールへと進化したため、患者が我々のサイトで何を見つけたがっているかをこれまで以上に理解できるようになった。Yext Answersはインテリジェントで、我々に固有の事実に関する複雑な関係を分析できる。例えば医師と治療の関係や、専門性と所在地の関係といったことだ。その結果、我々の患者が何を知りたがっているかがわかる」。Yext Answersは英語圏の国で利用できる。
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(翻訳:Kaori Koyama)