健康管理サービスを提供する京都拠点のスタートアップ企業「ハカルス」が今日、合計5000万円の資金調達を実施したことを発表した。京都市スタートアップ支援ファンドを引受先とする第三者割当増資と、日本政策金融公庫の資本性ローンによるもので、これで2016年10月のシード資金調達からの累計調達額は1億円となる。
ハカルスは元々デジタル計量計で食材の栄養分を分析し、それによって栄養バランスを管理するサービスを提供していたが、後にアプリにフォーカス。「スパースモデリング」と呼ばれる、小さなデータセットでも全体の傾向や特徴が導き出せる機械学習を使ったヘルスケア・アプリを提供してきた。現在は食事指導を中心とした企業向けのヘルスケア・ウェルネスサービス「HACARUS」として、ユーザー管理のためのクラウド環境やログ解析、APIによる既存データ・システムとの連携などを進めている。
パートナー企業によるサービス提供の第一弾として、福利厚生サービスを提供するリロクラブと提携。500万人の会員を持つ「RELO CLUB」の会員向けに7月末から「HACARUS for RELO CLUB」の提供を開始するという。RELO CLUB会員はアプリを通じて食事・運動指導などのサービスが受けられる。
ハカルスでは今回調達した資金で人材確保を進めるほか、ディープラーニングだけに頼らない独自の人工知能アルゴリズムの開発をさらに推進するとしている。スパースモデリング技術では、東北大学の大関真之准教授と連携し、アプリを使ったデータ入力の煩雑さやデータ欠損の問題を克服するという。
なお、ハカルスはTechCunch Tokyo 2016スタートアップバトルのファイナリスト20社のうちの1社だ。