6月11日、12日と宮崎で開催中の招待制イベント「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット 2015 Spring Miyazaki」(IVS)のセッションで登壇した元Amazon Web Servicesエバンジェリストの玉川憲氏が、自身が創業したIoT関連のスタートアップの「SORACOM」で、WiLとインフィニティ・ベンチャーズLLPから7億円を資金調達したと明らかにした。
この資金調達は、突然パネルセッションのステージ上で玉川氏が明かしたもの。特に詳しいプロダクトの内容には触れなかったので、TechCrunch Japanでは別途話を聞いてみた。今年の秋へ向けて準備中のプロダクトについてはステルス状態で開発中とのこと。IoTでB2B2Cのコミュニケーションの「プラットフォーム」となるものを作っているという。「プログラマブルで従量課金となるような、開発者がその上でプロダクトを作る、ちょうどAWSのようなものです。われわれは『クラウドとモバイルの融合』といってます」(玉川氏)という。現在SORACOMのチームは8人で、元大手通信キャリアやクラウド系、セキュリティ系、テレコム系に勤務していたエンジニアが中心。
興味深いのは、SORACOMではエンジニアの給与レベルが高いと胸を張ること。シリコンバレーのエンジニアだと今は年収12万ドル程度が標準だが、それに近い水準の給料を設定しているという。これは何も待遇が良い会社を作りたいということではなく、プラットフォームを作るためには高い給料で経験豊富な優秀なエンジニアを集めないと戦えないということだそう。給与水準と、技術で実現するビジョンの射程には関係があるというかもしれない。
玉川氏は日本IBMの基礎研究所でキャリアをスタート。Amazon Web Servicesへの移籍前にはカーネギーメロン大学でソフトウェア・エンジニアリングとMBAの2つの修士号を取得している。2015年3月にAWSを退職して、その後にSORACOMを創業している。