医療保険技術のOscar Healthは2020年中に加入者40万人・売上2200億円超を目指す

新興の医療保険・技術開発会社のOscar Health(オスカー・ヘルス)は、2020年末までに同社のヘルスケアプラン利用者を40万人集め、売上20億ドル(約2200億円)を目指しているとJP Morgan Healthcareカンファレンスのプレゼンテーションで発表した。TechCrunchが会場で確認した。

この数字はごく最近締め切られた加入受付期間の実績に基づくもので、加入者数、売上とも50%の成長を示している。同社を設立したのはMario Schlosser氏とJoshua Kushner氏のふたりで、Kushner氏はベンチャーキャピタル会社、Thrive Capitalのファウンダーでもありトランプ大統領上級顧問のJared Kushner(ジャレッド・クシュナー)氏の弟にあたる。

米国時間1月13日、Oscar Healthは医療保険大手のCigna (シグナ)との提携によって、スモールビジネス・オーナー向けにサービスを提供すると発表した。企業向け医療保険は、Oscarの加入者のごく一部を占めるだけだが成長中であり、同社が拡大したいと考えている領域だ。Oscarは企業が使い慣れた大規模医療保険ネットワークと協調しながら提携することで、同社の高度にIT化された医療保険をスモールビジネスに提供する。

今日までにOscarは、37万5000人の個人保険加入者を数えており、それ以外に小グループ保険およびメディケア・アドバンテージからの加入者2万人がいる、と同社に詳しい筋が語った。

わずか3年前、Oscarはごく小さな会社で、ダラス・フォートワースとニュージャージーの市場から撤退したあとの加入者はわずか7万人だった。今やニューヨーク、サンアントニオ、ロサンゼルス、オレンジカウンティー、サンフランシスコの各都市に進出し、2020年末までに29都市の市場を見据えている。

その拡大を支えているのが、同社が過去数年に獲得した驚異的な資本注入だ。2018年だけで、Oscarは5億4000万ドル(約594億円)の資金をAlphabet、Founders Fund、Capital G(Alphabetのレイターステージ向け投資会社)、およびAlphabetのライフサイエンスに特化した投資会社であるVerilyから調達した。Oscarの調達総額は13億ドル(約1430億円)で、これを使ってモバイルアプリ、遠隔治療、医師との相談、診察予約、医薬の再処方、その他コンセルジェのような医療サービスを通じて、よりよいヘルスケア体験を提供するという同社のビジョンを実現させようとしている。

2012年の設立当初、同社のビジネスは医療費負担適正化法(ACA)によって生まれたマーケットプレイスで個人が医療保険を購入することを期待したものだったが、現在はCignaのような保険会社と提携することで成長を加速させようとしている。

同社が最終的に見越しているのは、雇用者が決めた保険プランはなくなり、多くの消費者が「Individual Coverage Health Reimbursement Arrangements」(個人加入健康保険払い戻し制度)を利用しているという保険業界の将来像だ。そうした環境では、Oscarが最近スタートアップのCapsule Pharmacyと組んでニューヨークのOscarメンバーに処方薬を即日配達するサービスなどの特注サービスや、Cleveland Clinicなどの医療機関との密接な関係が競争優位性になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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