地球から5500万光年離れた乙女座銀河団に位置する「Messier 87」銀河の内部のブラックホールが撮影された。このようにブラックホールが撮影されたのは、史上初だ。
今回の観測には、複数大陸にまたがる8箇所の電波望遠鏡が利用されている。MITはこれを「仮想的な地球サイズの望遠鏡」と言及している。
画像では「火のリング」のように周囲を囲う物体と、中心の黒い穴のようなブラックホールが確認できる。中心のブラックホールは強い重力ですべてのものを引き寄せ、光さえも抜け出すことができない。
MITにて研究科学者を務めるHaystack Observatory氏は、「このブラックホールは、太陽を200年で周る海王星の周回軌道よりもずっと大きい」と語っている。「M87ブラックホールは非常に巨大で、周囲の惑星は光に近い速さで1週間以内に周回しています」
実際にこのブラックホールは特に巨大で、オランダのラドバウド大学のHeino Falcke教授がBBCに語ったところによれば、「太陽質量の65億倍も重い」という。「これは現在存在するブラックホールの中でも最も重いものの一つで、宇宙でもモンスター並の超重量級ブラックホールです」
なお、ブラックホール周囲の物体は周囲の銀河よりもずっと明るく、それゆえに非常に遠い距離からでも観測が可能となった。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)