僕の周りにいるのは、比較的新しいアプリやWebサービスを試すのが好きな人が多いからなのかもしれない。周囲でボイスメディア「Voicy(ボイシー)」を使い始めたという話を聞く機会が増えた。実は僕も1年ほど前から始めて、今では移動中を中心にほぼ毎日何かしらのコンテンツを聞いている。
最近はインフルエンサーや著名な起業家も配信を始めて、一気にユーザー層が広がっているように思えるVoicy。同サービスを提供するVoicyは2月19日、16人の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、2800万円を調達したことを明らかにした。
今回同社に出資したのはヘイ代表取締役社長の佐藤裕介氏やDeNA共同創業者の川田尚吾氏のようにTechCrunchの記事でもたびたび個人投資家として登場するメンバーもいれば、ホリプロ代表取締役の堀 義貴氏のようにあまりスタートアップ界隈では名前を聞かないような起業家もいる。各投資家は事業メンターとしてVociyをサポートする予定だということだ。
なお同社は2017年3月にも12人の個人投資家から数千万円の資金を調達している(公開されている株主については末尾で別途紹介)。
「声と個性を楽しむこれからの放送局」というテーマで2016年の9月にリリースされたVoicy。当初は大手メディアや雑誌などから提供を受けた「活字」コンテンツを、音声に置き換えて届けるという色が強かったように思う。
ただ最近はこれまでになかった「声のブログ」として使われ始め、活字メディアをベースとはしない、自由な形式のコンテンツが増えてきた。配信者も多様化してきていて、ブロガーのはあちゅう氏やイケダハヤト氏、起業家の家入一真氏や佐藤裕介氏もチャンネルを開設する。
この点についてはVoicy代表取締役CEOの緒方憲太郎氏も「声のブログという世界観を年始に立ち上げて、家入さんやはあちゅうさんがはじめたところ『声で聞くとこんな感じなんだ!』と話題になった。発信者も思いを十分に届けることができるし、最後まで聞いてくれるリスナーはポジティブな人も多いので喜んでもらっている」と話す。
また今後スマートスピーカー市場が拡大を見込まれている点も同社にとっては追い風になるだろう。すでに「Google home」上ではニュースコンテンツの配信を開始。「Amazon Ehco」でもアルクの外国語教材の配信支援を行うほか、中京TVとの新しい音声体験の開発を進めているという。
Voicyでは今回調達した資金をもとに組織体制を強化し、「VoiceTechカンパニー」として成長する音声市場でさらなるサービス拡大を目指す。
なお、公開されているVoicyの株主陣は以下の通りだ。
- 秋山勝氏(ベーシック代表取締役)
- 伊藤将雄氏 (ユーザーローカル 代表取締役社長)
- 川田尚吾氏 (DeNA 共同創業者)
- 佐渡島庸平氏(コルク代表取締役社長)
- 佐藤裕介氏(ヘイ代表取締役社長)
- 島田亨氏 (USEN-NEXT HOLDINGS 取締役副社長COO)
- 高梨巧氏 (favy 代表取締役社長)
- 為末大氏 (侍 代表取締役)
- 千葉功太郎氏(個人投資家)
- 平澤創氏 (フェイス 代表取締役)
- 堀義貴氏(ホリプロ 代表取締役)
- 松本大氏(マネックスグループ 代表執行役CEO)
- 山田尚貴氏 (エニドア 代表取締役)
- 柳澤大輔氏 (カヤック 代表取締役CEO)