大手スーパーTargetの盗まれたカード番号4000万件の一部が早くもカード屋のブラックマーケットに出回る

セキュリティライターのBrian Krebsが、大手スーパーチェーンTargetのPOSシステムから盗まれたクレジットカード番号がカード屋のブラックマーケットで流通するまでの過程を、非常に詳しくおもしろく書いている。その大量の情報をここでご紹介するのは無理だが、彼は、一部のカードショップが、その貴重なお宝のような番号のために、Target専用のコーナーを設けていることを見つけた。

彼が、その悪名高いカードショップのサイトを某銀行の行員と一緒に訪ねたところ、一連のカードがTortugaというベース名で分類されていた。カード屋の業界用語でベースとは、カードの出所(でどころ)のことだ。そしてKrebsによると、Tortugaのカードの番号は、Targetから盗まれたカード番号だった。驚いたことに、ZIPコード(郵便番号)や州の名前の入ったカードが多かった。よその州の名前の入ったカードは、盗品かもしれないと銀行やお店が目星をつけやすいのだ。

顧客は、犯行を知って即座に対応しただろうか? 即座、ではなかった:

そのニューイングランドの銀行は、自行が発行したカード20枚をこのショップから買おうとした。Tortugaベースの6-9、14、15に属するカードだ。そのストアの“ショッピングカート”には、カードの有効性をチェックする機能があった。チェックで無効と判断されたカードは、自動的に返金される。その20枚のカードのうち、すでにキャンセルされていたのはわずかに1枚だった。

あなたも、心配すべきだろうか? 11月27日から12月15日までのあいだに、Targetの物理店舗で買い物をして、そのときクレジットカードまたはデビットカードをカード読み取り機にスワイプされていたら、答は“イエス”だ。ただし、犯人はあなたのカードを完全に複製することはできないし、現金を引き出したりオンラインで買い物をしたりはできない。Target広報部のMolly Snyderは、次のように書いている:

1. 現時点では、PIN番号に被害が及んだという徴候はない。すなわち、銀行のPINのあるデビットカードやTargetのデビットカードには今なお、このような付加的な保護層がある。したがって、ATMを訪れた誰かが偽造カードを使って現金を引き出すこともできない。

2. 不正にアクセスされたデータにゲストの誕生日や社会保障番号が含まれていた、という徴候もない。

3. 被害が及んだ可能性のあるCVVデータは磁気ストリップ上のデータであり、カード上に読める3~4桁の数字ではない。カード保有者がオンラインの購入ができるようになるのは、後者の数字によってだ。

TargetのCEO Gregg Steinhafelによると、顧客には短期的なディスカウントと、向こう1年間の無料のクレジットモニタリングが提供される:

[以下英文ママ; CEOによるディスカウント案内]

We take this crime seriously. It was a crime against Target, our team members, and most importantly, our guests. We’re in this together, and in that spirit, we are extending a 10% discount – the same amount our team members receive – to guests who shop in U.S. stores on Dec. 21 and 22. Again, we recognize this issue has been confusing and disruptive during an already busy holiday season. We want to emphasize that the issue has been addressed and let guests know they can shop with confidence at their local Target stores.”

Krebsのアシストで行員がカード屋のサイトにアクセスしたニューイングランドの小さな銀行は、クリスマス終了後、5300枚のクレジットカードすべてを再発行するだろう。しかしそれでも、未チェックのカード39,994,700枚が残る〔総被害件数を4000万枚とした場合〕。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))