クーポン共同購入サイト「LUXA」を運営するルクサは13日、年額6000円の会員制レストラン予約サービス「LUXA RESERVE」を開始した。ザガットサーベイやミシュランガイドが取り上げる選りすぐりのレストランをオンラインで予約でき、限定メニューや優待価格など会員特典サービスが受けられる。東京・大阪・名古屋・福岡のレストラン300店舗でスタートし、2015年3月末までに1500店舗の掲載と、月間4万組の予約数を目指す。
オンラインのレストラン予約は、古くは2006年に日本法人を設立した米OpenTable、2011年以降はぐるなびや食べログ、ホットペッパーなどの大手グルメ情報サイトが相次いで参入。2013年10月にはヤフーが検索結果から予約できる「Yahoo!予約」を開始している。これらのサービスはいずれも無料だが、ルクサ代表取締役の南壮一郎氏は「ユーザーとしては情報量が多くて選べなかった」と課題を指摘する。
これに対してLUXA RESERVEは、1人あたりの予算7000円以上の有名ガイドブック星付きレストランを中心に掲載。オープン時の300店舗のうち、70店舗はLUXA RESERVEだけでオンライン予約を受け付けている。ユーザーは「分煙」「全席喫煙可」「23時以降ラストオーダー」「靴を脱ぐ」といった条件や、「記念日」「接待」「デート」などと利用シーンに合わせて検索できる。会員特典として、ウェルカムドリンクや限定コースなどの優待メニュー、記念日の特別な演出も受けられる。
レストラン側としては、上質な顧客に限定したプロモーションができるメリットがある。LUXA RESERVEに掲載されているレストランのマネージャーは、「お客様には上質なサービスを提供していますが、どなたを良いお席にご案内するかといった『順序』があるのも事実。それは予約時の声のトーンで決めることもありますが、なかなか判断は難しい。有料会員制サービスを使うお客様であれば『特別扱い』をしやすくなります」と話している。レストラン向けには当日のキャンセルで空席が出た場合、メールとサイト上で特別プランを会員に告知できるツールも提供している。
ルクサはクーポン共同購入サイトで約65万人が利用しており、会員の世帯収入は800万円が中心と「購買力の高い会員が多い」のが特徴。親会社で有料の会員制転職サイトを運営するビズリーチも高所得者のユーザーを多く抱えているので、LUXA RESERVEへの誘導も期待している。2014年4月以降、資本金1億円超の企業は飲食費の50%が非課税になるため、主に接待や会食での利用を見込んでいるようだ。
LUXA RESERVEで掲載しているレストランは、電話であれば誰でも予約することができる。そのため、オンラインで24時間いつでも予約できる利便性と、会員特典である「プラスアルファの贅沢体験」(南氏)をユーザーに評価してもらえるかが成功の鍵になりそうだ。収益は会員が支払う年会費と、レストラン側から送客ごとに徴収する手数料が中心。手数料は非公開だが、売り上げの10%程度という。