Tileは10月23日、探し物トラッカー「Tile」(Android版・iOS版)および検知システム「Tileアクセスポイント」を活用した追跡サービスについて、東急電鉄の東急線全路線88駅に導入されると発表した。鉄道会社では日本初の導入。10月26日から追跡サービスが開始され、電車・駅での忘れ物が検知可能となる。
-
- 設置場所: 東急線全線合計88駅(東横線・目黒線・田園都市線・大井町線・池上線・東急多摩川線・こどもの国線・世田谷線)
- こどもの国線: 恩田、こどもの国を除く
- 世田谷線: 西太子堂、若林、松陰神社前、世田谷、宮の坂、山下、松原を除く
Tileは、世界累計3000万台が販売され、世界約195の国・地域で導入されている忘れ物検知サービス。東急電鉄では、常時TileのBluetooth電波を拾うTileアクセスポイントを東急線88駅の窓口に設置。Tileを取り付けた鍵・財布などの忘れ物が駅窓口に届けられると自動かつ匿名で接続し、位置情報を持ち主のアプリに通知する。その結果、電車内・駅構内での忘れ物を早期に発見でき、より安心して東急線を利用できるようになるとしている。
なお、自動通知サービスの利用には、Tileユーザーは紛失アイテムをTileアプリ上で選択し、「見つかったら通知」を押して、紛失物として登録する必要がある。
同社は、Tileを付けた持ち物が屋外でも発見されやすくなるように、駅など落とし物・忘れ物が発生しやすい場所を中心に「Tileアクセスポイント」の設置・拡充を推進。今回は、2018年7月から東横線・田園都市線渋谷駅で実施したTile試験導入の結果、一定の効果が見込めるものと判断され、実現したものという。
東急電鉄によると、東急線全線では年間約37万件(2019年度実績)の忘れ物が発生しており、そのうち落とし主に返還できた忘れ物の数は約40%に留まっているそうだ。これにより、駅での保管場所不足や、落とし主に返還されない忘れ物の該当警察への送付作業による駅係員の業務負担増などの課題も生まれている。東急電鉄は、探し物トラッカーTileを導入し、追跡サービスを利用できる乗車客が増えることで、忘れ物のさらなる返還率向上を目指すとしている。
関連記事
・アマゾンが低帯域近隣ネットワークSidewalkの詳細を公開、EchoとTileが対応デバイスに
・忘れ物防止タグのTileがComcastとの提携を拡大、Appleとの競争に備える
・JapanTaxiが忘れ物防止タグ捕捉機能を車載開始、タクシーが動くTileレーダーに
・TileとGoogleアシスタントの統合で忘れ物を探せるようになる
・HP製ノートPCに忘れ物タグ「Tile」のトラッキング技術が搭載される
・遺失物発見システムの「Tile」、長い遅れの末出荷を開始