日立製作所は4月26日、イノベーションを支援し加速させる目的でコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドを設立することを明らかにした。
6月1日付でCVC新会社Hitachi Ventures GmbH(HVG)を設立し、欧州や米国を中心にスタートアップへ出資をする。CVCファンドは1億5000万米ドル(約160億円)の規模からスタートする計画だ。
近年日立ではIoT時代のイノベーションパートナーとして顧客の課題解決に取り組んできたが、その一方でデジタル化の急速な進展に伴い、国内外でスタートアップ企業の活躍も目立つようになってきている。
そのような流れを受けて、同社では戦略的な投資を通じてスタートアップが生み出す破壊的な技術やビジネスモデルと日立の技術・知見や顧客基盤を融合。新たなイノベーションの創出や顧客の課題解決を促進するべく、CVCの設立を決めたようだ。
投資先の選定などは新会社のHVGが行う。スタートアップ投資の経験が豊富な外部人財を採用し、世界各地のスタートアップ企業への投資と協創を推進する方針。リーダーとして、米国3MのCVC「3M New Ventures」の立ち上げと運営を進めてきたステファン・ガブリエル氏がCEOに就任するという。
日立製作所 執行役社長兼CEOの東原敏昭氏はCVCの設立について以下のようにコメントしている。
「私は、今回立ち上げるCVCファンドを通じて、世界で起きているイノベーションを早期に捉え、日立が支援することで、その動きを加速させたいと考えています。そして、革新的な技術を持つスタートアップ企業との協創を深化させ、新しい市場をいち早く開拓することで、双方がグローバル市場でともに成長することをめざします。この取り組みにより、日立は新しいビジネスモデルの構築や最先端の製品・サービスの開発を加速させ、社会に新たな価値を提供していきます」