神戸市と500 Startupsが2021年も「500 KOBE ACCELERATOR」をオンライン開催

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神戸市は、米国の著名ベンチャーキャピタル500 Startupsと連携した起業家育成オンラインプログラム「500 Founders Academy in partnership with Kobe」の参加募集を7月9日から開始すると発表した。

1期は2021年7月9日から月末まで応募を受け付け、9月6日から10月1日までプログラムを開催。2期は2021年9月から10月まで応募を受け付け、11月から12月の開催を予定する。シード、アーリーラウンドのスタートアップを国内外から1期あたり50社募集する。選考は500Startupsと神戸市が書類で行う予定。

オンラインだからこそ国境を超えてつながる

神戸市はこれまでも、2016年より、神戸からスタートアップ・エコシステムを生み出すことを目指し500 Startupsと連携して、短期集中型起業家支援プログラム「500 KOBE ACCELERATOR」を開催。過去5回の開催では、1000 社以上の応募企業から厳選した計 88 社のスタートアップを育成支援し、参加者の累計資金調達額は120 億円を超える。2020 年度はコロナウイルス感染拡大に対応するため全編オンラインで実施となり、地理的制限を受けない自由度の高いプログラムとなった。

500 Startupsの投資プログラムではないが、同ファンドの専門家たちによるレクチャー動画やメンターによるQ&Aセッションが受けられ、必要に応じて翻訳サポートも付く。オフライン開催だった頃は6週間ほどの神戸滞在が必要だったが、1ヶ月のオンラインメンタリングに切り替えて柔軟性をもたせたとのこと。500 Startupsは仙台市などと連携した例はあるが、アクセラレータプログラムの実施は神戸市のみとのことだ。

オープン・イノベーションはまず運営元から

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神戸市はオープンイノベーションに実に意欲的で、全国の自治体とスタートアップのマッチングプラットフォーム「Urban Innovation JAPAN(UIJ)」の運用や「ANCHOR KOBE」の運営なども行う。今でこそデジタル庁の出現と副業浸透により、ビズリーチやエンジャパンで各自治体がDX副業人材を募集するようになったが、神戸市が新産業課を中途で募集し、地元の縁に囚われない新チームを組成したのはすでに4年も前だという。

かくいう同市もチーフ・エヴァンジェリストを募集した自治体のひとつだが、新産業課長の武田卓氏自身も民間企業で営業を勤めた経歴の持ち主。同課でイノベーション専門官を務める松山律子氏は元アパレルの新規事業担当だ。他のメンバーも神戸市出身者ばかりではなく、おもしろい仕事を探す中でたどり着いたという。神戸市は、各プログラムにおいても神戸市への誘致等を必須条件に入れているわけでないが、それでも圧倒的推進力で日本からスタートアップ・エコシステムを生むために、アクセラレータプログラム、コワーキング施設、実証実験の推進等を次々と実行に移していっている。オープン・イノベーションを掲げながらもZoomもままならない部署も多いものだが、市長の推進力とチームの組成方法に、神戸市のオープン・イノベーションへの本気度を見るかのように思う。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。