米国のテック企業によるインド進出をものともせず、成長を続けるTimes Internet

Times Internetは木曜日、同社のデジタルサービスの一部がこの1年で力強い成長を示し、インドにおける同社の1月あたりのアクティブユーザーが5億5700万人に、また1日あたりのユーザーが1億1100万人を超えたと発表した。

インドの複合企業であるTimes Internetは、オンデマンドストリーミングサービスを提供するMX PlayerやGaana、日刊紙Times of IndiaやEconomic Timesを含め、30以上の事業を運営しており、3月に終了した会計年度に、1月あたり1億700万人のアクティブユーザーを新たに獲得したと述べた。

同社の2020年会計年度におけるページビューは、前年の470億回から670億回以上へと増加した。

Times Internetの副会長であるSatyan Gajwani(サトヤン・ガジワニ)氏は、TechCrunchとのインタビューで、1月あたり2億人を超すアクティブユーザーを持つMX Playerと、1月あたり1億8500万人のアクティブユーザーを持つGaanaは、2020年度に75%の伸びを見せたと語っている。

これらの数字により、創業182年を迎えるBennett Coleman and Company Limited(BCCL)の子会社であるTimes Internetは、同社が存在しなければGoogle、Facebook、Amazonに支配されていたであろう世界最大のオープンな戦場の中心に置かれることとなった。

分析会社Comscoreによれば、Googleは6月ウェブ(デスクトップおよびモバイル)でインドのデジタル人口の98%にサービスを届け、同じく6月、Facebookはデジタル人口の94.9%、Times Internetは77.7%、Amazonは76%で4位となった。(この数字にはアプリによる使用データは含まれていない)

創業20年を迎えるTimes Internetは、今日のデジタル界を支配するほぼすべての企業に対し大きなアドバンテージを持っていたが、批評家は、同社は数年の間それをうまく利用することができなかったと語る。 しかし、同社は現在のリーダーシップの下、安定した成長を見せている。

Comscoreによる5月のデータ (画像クレジット: Times Internet)

 

ガジワニ氏は、過去10年の初め頃はTimes Interneのサービスは芳しくなかったと振り返る。「そこで、私たちは2013年から2016年にかけては製品の質に絞って力を注ぎました。その後の数年で優れた製品を導入・開発しました。」

「競争力がないと判断した製品は売却や撤退をしました。現在では我社はかなり強力なポートフォリオを備えています。」

ガジワニ氏によると、Times Internetの成長に向け最近取り組んでいるのが、広告以外の収益チャネルを見つけることである。Gaana、MX Player、ET Prime(Economic Timesの無広告版)およびTimes Prime(様々なサードパーティのサブスクリプションサービスをまとめて再販)は定期契約者を見つけるのに役立っており、 一方MensXPのeコマースセクション、ETMoney、MagicBricks、GradeUp、Dineoutは取り引き業務を促進している。

Times Internetによると、全体として、同社の2020年会計年度の収益は24%の伸びを見せ、2億2150万ドル(約235億円)に達した。同社はサブスクリプションから得た収益がいくらになるのかは開示しなかったが、有料サービス利用者200万人以上を擁し、取り引き業務は68%、広告事業も22%の伸びを見せていると伝えている。

しかし、広告事業に大きく依存しているということは、同社もコロナウイルスによる打撃を受けたということを意味する。コロナウイルスにより消費者の支出は業界全体で大きく落ち込み、その結果広告主は予算を削減したのである。

3月には同社の広告収益は「大幅に落ち込んだ」が、その後の3ヶ月は「穏やか」であり、7月および8月には大きく回復したとガジワニ氏は述べている。「7月と8月の収益により、前年比で4月、5月、6月の損失を埋め合わすことができました。」

この数ヶ月のウイルスの流行と政府による中国のアプリの禁止は、同社にとって完全な打撃とはなっていない。MX PlayerおよびGaanaはインドでTikTokが禁止されたことで生じた空白を埋めようと試みており、業界のある幹部がTechCrunchに示したモバイルインサイト会社App Annieのデータによると、Twitterを後ろ盾に持つShareChatといったより潤沢な資金を持つ一部の企業よりも多くの顧客を引きつけているようだ。

MX PlayerによるショートビデオアプリMX TakaTakは、1日あたりのアクティブユーザーが1000万人を超え、1月あたりのアクティブユーザーは4500万人に達したと同社は今週初めに発表した。アプリには1500万以上の動画がユーザーによってアップロードされており、1か月の再生件数は10億回以上にのぼる。

今後とも、ガジワニ氏はユーザーとのつながりを深める努力を続ける意向である。ガジワニ氏は、ユーザー数の開示はしなかったものの、「当社のサービスを2つ以上利用している人の数は48%、3つ以上のサービスを利用している人の数は120%の伸びを見せています」と述べた。

情報筋によると、BCCLはTimes Internetの株式売却に向けてここ数ヶ月投資家との話し合いを持っており、この取り引きが成立した場合、従業員数が昨年の5000人から6000人以上に増えたTimes Internetは財政的により強力になり、より多くの買収を模索する機会を得られるようになる。ガジワニ氏はこれについてはコメントを拒否した。この話し合いについて最初に報道したのはBloombergであった。

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カテゴリー:ネットサービス

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(翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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