脳血管内手術の手術支援AIを開発するiMed Technologiesは10月1日、第三者割当増資として、資金調達を実施したと発表した。引受先は、SBIインベストメントが運営するファンド、グロービス経営大学院(G-GROWTHファンド)、三井住友海上キャピタルが運営するファンド。
今回の資金調達により、研究開発体制を強化し、脳血管内手術の手術支援AIを少しでも早く臨床現場に届けるべく、事業を加速させる。
同社は、「世界に安全な手術を届ける」というビジョンのもと、動画解析を活用し脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI(特許出願中)の開発を行うスタートアップ企業。2019年4月の創業以来、東大IPC 1stRoundやNVIDIA Inception Programなどの支援を受け、開発を進めている。
脳血管内手術は、脳梗塞やくも膜下出血などを治療する手術方法のひとつ。脳血管内手術は、従来の開頭手術と比較して患者への負担が少ない手法で、手術件数は年率10%以上で増加している。
また、新型コロナウイルスに感染すると脳梗塞に約7倍かかりやすいとの報告が出ており(The New England Journal of Medicine, 2020 ; 382:e60)、ウィズコロナ時代には脳梗塞が増える可能性があるとしている。
ただ、この脳血管内手術を行う際には、複数の部位を同時に見ながら繊細な操作をする必要があり、わずかな操作の遅れやずれが合併症につながる。脳は最も重要な臓器のひとつであり、合併症が起こった際には命に関わるような重篤な状況におちいる。
CEOの河野健一氏は脳神経外科医師として16年間医療現場で手術を行い、医療現場で経験してきたこの課題を解決するために、ディープラーニングを用いた手術支援AIの開発に着手したという。