荷主と個人ドライバーをつなぐマッチングプラットフォーム、「PickGo」が3.4億円調達

荷物を運んで欲しい荷主と、荷物を運びたい個人ドライバーをつなげる「PickGo」を運営するCBcloudは9月21日、シーアールイーKLab Venture Partners東熱パネコンのほか、名称非公開のコマース事業会社とベンチャーキャピタル1社を引受先とする第三者割当増資を9月1日に実施したことを発表した。調達総額は3億4000万円だ。

運送業界では、県をまたぐ長距離輸送に対して、荷物が倉庫から顧客へと受け渡される最後の区間の配送を「ラストワンマイル物流」と呼ぶことがある。

PickGoは、その短距離の輸送において、荷主である企業が個人ドライバーのちからを利用できるマッチングプラットフォームだ。

プラットフォームへの登録は荷主とドライバーともに無料。配送料金は距離料金と時間制料金の2つのメニューを用意しており、依頼登録画面で案件ごとに料金を算出する方式だ。CBcloudが受け取る手数料は、配送料金の10%だ。

ドライバーとして登録できるのは貨物軽自動車運送事業の届け出をしている人(いわゆる黒ナンバー保持者)のみとなっている。企業と契約してフリーのドライバーとして仕事をする人たちがPickGoのターゲットのようだ。現在の登録ドライバー数は2000人となっている。

具体的な配送件数は非公開だが、月に数千件程度だという。サービスを開始した2016年6月に比べ、配送件数は15倍に拡大したという。

2017年8月からはCtoCサービスも開始

CBcloudは、ここまでで説明した企業向けの「PickGo for business」のほかに、個人向けの「PickGo for personal」の提供も2017年8月より開始している。

personalでは、ユーザーが配送依頼をすると、PickGo登録ドライバーにその依頼が一斉配信される。それに反応したドライバーが提示する金額や日程などをもとに、条件の合うドライバーを選ぶという流れだ。

サービスのユースケースは個人の引っ越しなどを想定していて、配送料金は最低5000円から。ドライバーから提示される金額をもとに交渉することもできる。こちらも、登録ドライバーは黒ナンバー保持者のみだ。

ラウンドに参加した事業会社とのシナジーも

今回のラウンドにも参加したシーアールイーは、物流不動産を中心に約1400物件、約120万坪の管理運営を行っている。

本ラウンドを期に、CBcloudとシーアールイーは資本業務提携を締結。シーアールイーは今後、PickGoのサービス拡大にともなって必要になる配送拠点スペースを提供していくという。

また、同じく出資に参加した東熱パネコンはオーダーメイド型ワイン熟成セラー「Terroir(テロワール)」の製造・販売を行う企業。CBcloudは東パネコンは共同ビジネスとして、店舗向けワイン配送サービスの「動くワインセラー」を2017年6月から開始している。

これは、レストランに来店したユーザーが専用タブレットを使ってワインを注文すると、最短30分でそのワインが店舗に届くというサービス。

「好みのワインが店に置いてないが、どうしても飲みたい」というコアなワイン愛好家には嬉しいサービスかもしれない。30分のあいだに食事が済んでいなければ、という条件付きだけれど。

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TechCrunch Japan

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