システム・IoTデバイス・AI・ロボティクスなどの技術導入のコンサルティング、開発から量産までを行うASTINA(アスティナ)は6月2日、AIを活用した外観検査装置の提供を開始した。化粧品などの不規則な模様のある製品でも傷の有無を確認できる。
2017年創業のASTINAは、作業現場の自動化のための装置開発・設置・運用・保守までを一貫してサポートする自動化パッケージ「OKIKAE」(オキカエ)を提供している。これまで同社は、中小工場向けDXサービス「自動バラ積みロボットOKIKAE」、工場のケーブルやコネクターの挿入を自動化する「OKIKAE for ケーブル挿入作業」をリリースしており、第3弾として「OKIKAE for AI外観検査」という外観検査の自動化を行うパッケージを用意した。
製造現場における製品の不良品を検出する外観検査は、作業時間がかかり、高度な知見が要求される作業だが、人員不足が問題になっている。画像認識による外観検査の自動化は以前から行われてきたが、ラベルの有無など、あらかじめ設定された対象物を判別するものがほとんどで、「傷、髪の毛、糸くずなどのランダム性があるもの」の検査は自動化が困難だった。また、「ランダムな模様に対応しきれず、正常な模様でも傷や異物と判断してしまう」問題もあったという。
「OKIKAE for AI外観検査」は、AIを活用することで、ランダムな模様に惑わされることのない、傷や穴や欠けなどの検出を可能にした。たとえば、化粧品のグラデーションの生地にある傷の判別や、ラメ入りや多くの色が混じる製品での異物検出、さらに360度全方位の検査も行える。「ランダム性のあるベース+傷や髪の毛などのランダム性のある異物」も見逃さないとのことだ。もちろん、検査対象は化粧品に限らない。
「OKIKAE for AI外観検査」の特徴として、ASTINAは次の5つを揚げている。
- 加工装置や組立て装置とともにAI外観検査を組み込める
- AIで種別判定可能なので、種類別の排出が可能に
- 多種多様な業界の顧客のワークに対応
- 現状の設備にAI外観検査、NG機構を設けることが可能
- 多品種少量生産に適したシステムの設定が可能
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