インキュベータY Combinatorで育ったPersistIQは、これまで自分たちも含めて多くの営業が、コールドコールによるドリップマーケティング(ドリップ営業)の調整作業をExcelのスプレッドシートでやってきたが、もっと良い方法がほしい、という願望から起業された。外回りのドリップ営業の調整作業〜進捗管理を自動化するソリューションを提供したい、と彼らは考えている。
〔*: コールドコール(cold-call), 見込み客発掘のためのめくら撃ち電話やメールなど; ドリップマーケティング(ドリップ営業), drip marketing(drip sales), 電話やメールなどの繰り返しによる見込み客発掘…drip(しずく)を何滴も落としていくようなやり方。〕,
外回り営業では、顧客を営業が自分で見つけなければならない。それは何らかのリストに載っている住所氏名に対してコールドコールやメールを行い、まず見込み客を見つけるところから始まる。それは、人に会うという難しい仕事で、脈があった人、なかった人、次回はいつコールするかなどを、記録し管理しなければならない。それが上で言う、営業活動の調整、という仕事だ。
協同ファウンダのPouyan Salehiによると、今は明らかに呼び込み営業が主流だが、何らかのコンテンツを作って人の気持ちを惹きつけ、顧客に積極的なアクション(例: サイト上で何かを買う)を起こさせることは、難しい仕事だ。むしろ、気持ちを惹きつけることに成功したら、その人のアクションにスコアをつける(ブログを読んでくれた、ホワイトペーパーをダウンロードした、価格表のページを見てくれた、など)。 そしてスコアの高い人を営業の対象とし、その人たちへの営業活動をやはり継続的に調整して、彼らが積極的に応答するよう仕向けなければならない。
どんな方法で獲得した見込み客でも、すべての営業のチャレンジは最初のリプライをもらうことであり、それには粘り強さと、テクノロジからのささやかな助けを要する。Salehiによると、見込み客から最初の反応を得るまでに平均して7回はドリップ(電話やメールなど)が必要だが、そこまでの辛抱ができない営業が多い。多くの営業が、わずか二度のコンタクトでポジティブな反応がないと、ギブアップしてしまう。彼らを責めるのは酷だが、でも、そういう複数回の声かけを自分で思い出し、スケジュールを決め、自己管理し、各回の反応と最終結果を記録できるためのツールがあれば、それほど面倒がらずにできるようになるだろう。そんな考えから、PersistIQが生まれた。
そしてSalehiが言うように、“見込み客が存在するようになったら、一挙に苦労が始まる。今まで電話やメールばかりしてたのが、外回りに行かなければならなくなるが、でも、どこから始めるのか? そして、フォローアップにも相当な時間がかかる”。
Salehiと彼のパートナーは、この苦労を楽にしようとする。これまで、CRMツールやマーケティングを自動化するプラットホームやそのほかのツールが、Salesforce.comやMarketo、Hubspotなどなど、いろんなところから出ており、いずれも、営業のこの過程を自動的に記録追跡する。しかし、多忙な営業マン/ウーマンはそれらを無視する。そういうツールは大きなパッケージの一部だからだ。Salehiが言うには、そういうややこしい状況と悪戦苦闘して大きなツールの中に何かを見つけようとするよりも(それがあると知ってる場合でも)、オールドファッションなExcelのスプレッドシートを安易に使おうとするのだ。ただしそれでは、ご想像通り、アップデートがたいへんな作業になる。
営業活動のこれまでの過程や現況を記録追跡する、という管理的な仕事が、営業活動の邪魔になるほど負担になってくる段階で、PersistIQはその仕事を単純化するツールを提供する。見込み客のリストをインポートする、重複を取り除く、すでにコンタクトした見込み客について自動的に文書化を行う、リストの適切な分割をする、そしてキャンペーンを作る…ツールは、これらの仕事を助ける。一定の時点までに反応しない人がいたら、それから一定の日数ののちに、自動的にドリップを再送する。メールの受信箱に応答が来たら、その見込み客にいつものやり方でコンタクトする。
今このツールはメールによるドリップが主だが、今後は電話やソーシャルメディアによるドリッピングも加えていく予定だ。Salesforceとも統合しているので、Sf側の見込み客へのコンタクトの記録を自動的にPersistIQが行う。
今同社の社員は二人で、Y Combinatorに支えられている。秋にはベータに入り、シード資金の獲得も目指したい。同社へのユーザ登録はこのWebサイトで。
〔IQは‘知能’、persistは、諦めずに繰り返すこと。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))