GE Appliancesは今や中国の家電メーカーHaierの子会社だが、このたびクラウドソーシングによる製品開発事業をスピンアウトして、企業顧客にそのサービスを提供して(==売って)いくことになった。その企業名は、Giddyだ。
クラウドソーシングは不死鳥のように不滅のアイデアだ。ただし過去数年間では、失敗した企業も少なくない。たとえばQuirkyやLocal Motorsのような企業は、メイカーたちのコミュニティからアイデアを得る製品開発ショップを作り、才能のあるアマチュアたちの技術やデザインと、手作りプロトタイピングによる製品を、マスマーケットに向けて売った。
そのような企業がこれまでに調達した資金総額は1億ドルを超えているが、しかしQuirkyは挫折し、1000人の自動車設計エンジニアを育てるというビジョンを掲げたLocal Motorsは失速した。
GE AppliancesもかつてはQuirkyとご縁があったが、今回はそれと同じモデルを企業顧客向けに生かそうとしている。
GE Appliancesはケンタッキー州ルイヴィルの本社に、Quirkyに倣ったFirstBuildという子会社を作った。そしてそれを、新製品のテストに利用しようとした。一部の製品、たとえば新しい製氷機や水出しコーヒーマシンは成功して、実際に市販された。
GiddyのCEOに就任したTaylor Dawsonは、声明文でこう述べている: “企業がイノベーションにアプローチする方法はたえず進化している。しかも最近ではますます、会社の四方の壁の外にアイデアを求めようとしている。弊社も新鮮な考え方にビジネスとしてアクセスし、人びとが自分の好きなことをして経験を積んでいくための、機会を提供していきたい”。
一方FirstBuildはルイヴィルから上海に移転してオフィスを拡張し、2018年にはインド進出を計画している。
そしてGiddyはQuirkyとFirstBuildのモデルを取り入れ、モバイルのプラットホームとして企業に売っていく。企業顧客はここに開発テーマをポストして、社員たちや外部設計者/デザイナーにアイデアの開発を訴求する。
その最初のチャレンジ(開発テーマ)はCESで発表する予定で、その詳細はこのページにある。
企業顧客はGiddyに料金を払うのだが、アマチュア投資家やホビイスト、メイカーたちの参加は無料だ。彼らはさまざまなチャレンジの中から、自分の関心に沿うものを見つけて取り組む。
Dawsonは、こう言っている: “テクノロジーはすばらしいが、でもその価値はGiddyのクリエイティブコミュニティにある。そのアーチストたちやエンジニアたちが、テクノロジーのさまざまな価値を提供する。すでに弊社はFirstBuildで、コミュニティとオープンなイノベーションのパワーを経験した。そしてそれがGEの製品にとって有効なら、同じやり方がほかの企業にも有効なはずだ”。