今日(米国時間6/25)、GitHubの高度にカスタマイズ可能なAtomテキスト・エディタが1.0となった。Atomが一般公開されてからまだ1年しかたっていないが、すでに130万回ダウンロードされ、月間アクティブ・ユーザーは35万人にもなる。この間、Atomの開発チームは155回もアップデートをくりかえし、大量の新機能を追加してきた。
しかしさらに重要な点は、Atomのユーザー・コミュニティーが2090種類もの拡張機能パッケージと660種類のテーマを作り出したことだろう。
AtomプロジェクトはGitHubの共同ファウンダー、Chris Wanstrathによって2008年に始められた。当時はAtomicityと名付けられ、その目標は一般的なウェブ・テクノロジーを用いてデベロッパーが自由にカスタマイズできるコード・エディタを提供することだった。GitHubが成功し、Wanstrathが多忙になったため、Atomプロジェクトは2011年まで棚上げ状態になっていた。その後3年かけて開発が行われ、Atomのベータ版が一般公開されたのは2014年になってからだった。
1.0というバージョン番号が示唆するとおり、今回リリースされたAtomはコア部分が安定したプロダクトになったと考えられている。GitHubチームはリリース・ノートで「これまでの努力は主として1.0という安定したAtomの基盤を作ることに向けられてきた。その基盤が完成したからには、われわれはこのプラットフォームの持つ潜在能力を全面的に開花させる努力に重点を移すことができる。」と述べ、さらに将来の展望を次のように述べている。
もちろんわれわれはパフォーマンス、安定性、コアなユーザー体験をさらに改良していく。国際的なサポートの拡大も重要だ。しかし新たな可能性の追求は単なる細部の改良にとどまるものではない。われわれは次のようなテーマを自らに課している。「スーパー・ディープなgitへの統合はどういうものになるだろうか?」、「テキスト・エディタにおけるソーシャル・コーディングとは?」、「パッケージ開発者が好みの言語でIDEレベルの機能を実現するために何が必要か?」
他のコード・エディタの開発チームもこうした課題に向かっていることだろう。しかしAtomのように層が厚く活発なデベロッパー・コミュニティーの支持を得ているエディタは他にない。 Atomのモジュラー性はきわめて徹底しており、たとえばFacebookがデベロッパー向けにリリースした開発環境Nuclide IDEのベースとしてカスタマイズしたAtomが用いられている。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)