Googleは「Acceelerated Mobile Pages Project(モバイルページの加速プロジェクト)」と呼ぶ新しいオープンソースの取り組みを発表した。
名前からこの取り組みのコンセプトが分かるだろう。AMPプロジェクトでは、ウェブページ、特にニュース記事のロードを速くすることが目的だ。これを達成するため、AMPの発行元はページが速くロードするよう技術的な仕様に沿うようにページを整える。Googleのキャッシュから記事をユーザーに提供するオプションもある。
Re/codeは以前 GoogleがTwitterと協力して、モバイルで記事が速くロードするためのオープンソースの取り組みを行っていると伝えた。その記事では、Facebookのインスタント記事や他のニュースの配信形態と競合するだろうと伝えていたが、Googleのニュース部門のリーダーである Richard Gingrasは、今日の発表の際、Facebookについて尋ねられた際には「インターネットで待つ状態がないようにしたいと考えています。それを実現するために注力しています」とプロジェクトの意図を説明した。
プレゼンテーションの最初に、検索のエンジニアリング部門のヴァイスプレジデントを務めるDavid Besbrisは、今のユーザーは、たいていモバイルアプリからウェブ記事を読んでいることを認識していると話した。それはGoogleにとって好ましい状況ではないだろう。Googleは、ユーザーが検索を使って記事を探し、ブラウザにロードして読んで欲しいと考えている。
この取り組みを始めた理由の一つは、多くのウェブページは「ユーザーの期待に応えていない」からだとGingrasは言う。ロードが非常に遅いのだ。一方AMPに最適化したページは一瞬でロードする。
「一瞬でロードしないものは良くないのです。エンゲージメントも下がります」。
記事が瞬時でロードが行われるように、発行元はロードを遅くしている要素をウェブサイトから排除すれば良いのだろうか?Besbrisはそれだけに留まらないという。
「モデルやフレームワークの中で取り組むべきことは多くあります。そして素晴らしいウェブページを作るだけでなく、配信する方法も改善することができます。例えば、予めレンダリングをしておくことなどです」。
Googleは今日AMPプロジェクトを完全にローンチする予定ではないそうだ。AMPプロジェクトはGoogle検索からまで見つけることはできない。Googleはまず、開発者プレビューとオープンソースコードのGitHubのレポジトリをローンチする。
Googleの今日のイベントにパートナーとして参加したのは、Vox Media、La Stampa、Buzzfeed、The Washington PostやTwitterなどだ。
Twitterが参加していることでAMPのページは、ツイートやVine動画にも対応する。TwitterのプロダクトマネージャーであるMichael Duckerは、TwitterのアプリからもAMPのリンクを他のリンクと同じように開くことができ、AMPに独自対応しているという。Duckerは、同社は「このリンクのエクスペリエンスに期待しています」と言い、今後さらに統合できるように改善していくとした。
発行元に焦点を当てたイベントだが、Gingrasは「重要な目的は、契約がなくても協力できる環境を作ることです」と話す。壇上の企業について「契約はありませんが、私たちは皆上手く機能するものを作るという目標に向かっています」と説明する。
発行元はGoogleと契約しなくてもAMPに参加できる。Gingrasは、Google検索でAMPのページが最適化していないページより自動で上位に表示されることはないという。ただ、AMPでロード時間が短縮すれば、間接的にランキングは上がることもある。
「検索結果を生成する時に判断する指標は多数あります」と言う。「その一つは、もちろんパフォーマンスです。発行元がページをどのようにパフォーマンスを向上させるかは、彼ら自身が判断することです」。
AMP内の広告といったビジネスの部分も「重要です」とBesbrisは言う。AMPのページ内で広告主が打てる広告の形式には制限があるが、ウェブページであることに変わりはないので、他のウェブページ同様に広告からマネタイズすることが必要と説明する。
モバイルから、このリンクをクリックするとAMP対応のページを試すことができる。あるいは、ニュースに関連した単語で検索をかければ、AMPに最適化している記事がカルーセル形式で表示される。(最終的にAMPをカルーセルで表示するかはまだ決まっていないとGoogleは伝えている。)詳細はGoogleのブログ投稿を見ると良いだろう。
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