Googleが“数週間後に”、Daydream VRをローンチする予定だ、とBloombergが報じている。今週はAndroid 7.0が公式にデビューしたが、VRの方はまだいろいろと準備が必要らしい。この最新記事によると、GoogleはVRプラットホームのローンチに間に合わせるオリジナルコンテンツに大金を投じており、VR機能はAndroid 7.0の推奨規格を満たす今後のスマートフォンハンドセットに内蔵される。またCardboard的なヘッドセットと、新しいコントローラーハードウェアも準備中だ。
Daydreamが最初に紹介されたのは、5月に行われたGoogleのデベロッパーカンファレンスGoogle I/Oのときだ。Daydreamに関するGoogleの計画では、Android OEMがこのプラットホームをサポートするために従うべき推奨仕様をまず作る。あるいはその仕様を直接、モバイルOSの最新バージョンAndroid 7.0 Nougatに実装する。Daydreamには家庭用ランチャーが提供され、店頭では特別製のVRコンテンツがデモされ、売られる。I/Oの席では、NYT(The New York Times), WSJ, CNN, Hulu, Netflix, HBO, IMAX Ubisoft, EA(Electronic Arts)らがローンチパートナーとして発表された。
Bloombergによると、Huluはローンチ時に、Googleの支援により、Justine EzarikやDolan twins(双子のDolan)といったYouTube上の名士によるオリジナルの360度コンテンツを提供する。立ち上げ時に一連の既存のYouTubeセレブたちを利用するのは、うまい手だ。それによりGoogleの独自のVRプラットホームがVRコンテンツの競争レースで一歩前に出ることができるし、ゲームファンよりももっと広い層にエンタメコンテンツを訴求できる。しかもHTC ViveやOculusのように、日用品的PCのプラットホームにこだわらずにすむ。
記事によると、Googleの取り組みは初期の控えめなプロジェクトが中心になり、いきなり興行収入数百万ドルを目指すような世界を目指さない。だから資金も、ハリウッドなど大メディアのひもつきにはならないようだ。Googleにとって当面重要なのは、プロジェクトの所有権や著作権等ではなくて、消費者の関心を高めることだからだ。
Daydreamと、Androidのニューバージョン機はローンチが同時期になる。もちろんVRヘッドセットやコントローラーも、それに間に合わせる。ということは、その公式デビューで使われるのは、Nexusスマートフォンの新型機かもしれない。そしてその時期はたぶん、今年の秋のいつか、だ。