GV(旧Google Ventures)がメンタルヘルスケアのスタートアップQuartetにシリーズBで4000万ドル投資

shutterstock_368013518

精神ヘルスケアと体のヘルスケアのギャップを埋めるスタートアップQuartet Healthは、シリーズBでGV(旧Google Ventures)を筆頭とし4000万ドルの資金調達を行った。また、既存投資家のOak HC/FT Partners、F-Prime Capital Partners、そしてPolaris Partnersもこのラウンドに再度投資した。

これはGVにとって初めてのメンタルヘルスケアのスタートアップへの投資だ。2014年に創業したQuartetのプラットフォームは、かかりつけ医とセラピストのようなメンタルヘルスケアのプロが一緒に働きやすい場を提供している。多くの精神的なコンディションは、身体的な症状を引き起こす(またはその逆も然り)が、患者の担当医がお互いに情報交換をしないとそれを特定することは難しい。

Quartetのデータサイエンティストは、医者がその患者に他の健康問題のリスクがあるかが分かるアルゴリズムを開発した。そして、Quartetのネットワーク上の医療機関やオンラインの認知行動療法や専門家と相談するツールなどを患者に紹介する。もし患者が新しい診断を受けたら、その患者の担当者はプラットフォームを通じて処方箋や治療、検査などの様々な側面の情報をまとめて確認出来る。

「私の大切な人が精神異常と問題行動に苦しんでいるのを見たことがあり、最適な治療法を見つけることが必要以上に大変だということをじかに感じた」と創業者でCEOであるArun Guptaはメールで語った。彼は、Palantir Technologiesで以前アドバイザーを務めていた。

「ヘルスケア産業は、一次医療の現場、データ、最新テクノロジーを活用したモデルを用いることで、患者により良い選択肢と治療を提供し、患者、家族、コミュニティーにとって良い環境を作ることができます」。

ニューヨークに拠点を置く同社は、この資金を使い今後1年間に、マサチューセッツ州、中西部、西海岸を含むアメリカ国内の6つの市場へ新たに参入する。

Guptaが言うには、Quartetが成長するにつれ直面する最も大きな課題は、医療業界の現状を変えること、もしくは「行動の健康と身体の健康が連動していないと深く浸透していること」だ。Quartetとの協業も視野に入るオンラインでのセラピーツールを開発するEmpowerSleepioといった異なるメンタルヘルスの局面でのサービス提供に注力するテックスタートアップの数の多さが彼の背中を押している。

「私たちは治療の現場、そして患者を中心に置き、これらの異なる治療様式を最大限活用する包括的なソリューションを構築することで、サービスが利用されるようになりました」と彼は語った。
「それこそが市場が本当に求めていたことです」。

 

[原文へ]

(翻訳:Kana Shiina)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。