Hyperloop Transportation Technologiesが欧州での建設を検討、手始めはチェコ

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Hyperloop Transportation Technologies(HTT)はライバルのHyperloop Oneよりは一步出遅れているかもしれないが、独自の国際展開を進めている。本日(米国時間18日)HTTは、スロバキアとチェコをつなぐHypeloop接続の検討を行う合意文書に署名した。

HTTは既にスロバキアのブラチスラヴァ市との間でhyperloop建築の合意文書を取り交わしているが、この新しい合意はチェコ共和国のブルノとブラチスラヴァの間の80マイルをつなぎ、さらにチェコの首都プラハまでの建設を行うことの意義を検討させるものだ。

HTTはまた、アブダビとの契約を締結したこと、そしてオーストラリアのメルボルンでの建設に向けた予備的な引合いも受けたことを発表した。

HTTシステムは、ブルノ、チェコ共和国でどのように見えるかのレンダリング。

チェコ共和国ブルノにおけるHTTシステム想像図

Hyperloop OneとHTTの両者とも、世界中の政府指導者とのつながりを深めており、それぞれのシステムを建設するための資金を調達し、関係を作り上げている。これらのつながりの多くは、アラブ首長国連邦と東欧を中心に行われているようだ。これは新しく実績のないシステムに対する認可が、表向きは米国政府よりも簡単に下りるからだ。

最近HTTは、その動きを速めるために1億ドルを調達したと発表した。とはいえその大部分は、ボランティア労働や外部企業からのサービス提供といった現物支給なのだが。実際の現金としてHTTが調達したのはおよそ3100万ドルだ。

今やそれぞれのスタートアップに共通する課題は、ひたすら挑戦し、ゴールにいち早く到着することだ。

「技術的な課題はすべて解決したので、今は世界中の政府と協力することが、一番重要です」と、HTTのCEOであるDirk Ahlbornは声明で述べた。「この段階で規制当局と直接作業することはHyperloopにとって重要です。スロバキア、アラブ首長国連邦、その他の国々での建設を始めるに際して、新しいルールとフレームワークが書かれる必要があるのです」。

今回のチェコの合意は、実現可能性の判定と建設の決定にある程度の時間がかかるものの、理論的にはブルノの鉄道システムの混雑を緩和できる筈である。同駅はチェコで最も古い駅であり(世界で最も古い駅の1つでもある)、Wikipediaによれば、毎日5万人以上の乗客が往復している。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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