Mozillaは米国時間9月17日、2つのプロダクトの閉鎖を発表した。まず、無料のファイル転送サービスFirefox Sendは、すでに7月に休止していた。そしてメモを取るエクステンションおよびモバイルアプリのFirefox Notesだ。
Firefox Sendは2019年3月にローンチ(Mozillaリリース)し、Mozillaはそれを「プライバシーを重視したファイル共有ツール」と説明していた。そのプライバシーは、今やMozillaのさまざまな部分で重視されている。Firefox Sendを休止したとき同社は「主にマルウェア集団による悪用の報告を調査中」と説明していた。Mozillaによると、当時は悪用報告機能の改良に取り組んでいて、Firefoxのアカウントをユーザーの要件にしようとしていた。
しかし同団体はそれを再ローンチせず、代わりにサービスの閉鎖を決めた。
Mozillaは本日の発表について「Firefox Sendは、ファイルを暗号化して共有する将来性のあるツールだった。Sendはユーザー数も十分に多く、その全生涯を通じて熱心なファンと高い評価に恵まれていた。しかし残念ながら、一部の悪質なユーザーがFirefox Sendを使ってマルウェアの配布やスピアフィッシング攻撃に使うようになった。この夏我々はFirefox Sendをオフラインにして問題解決に臨んだ。そしてその間に、全体的な費用と戦略的フォーカスを検討した結果、サービスを再ローンチしないことに決めた」。
一方Firefox Notesは、Mozillaによると最初は暗号化データをシンクする新しい方法をテストするための実験だった。「その目的に奉仕したあと、このプロダクトをFirefoxとAndroidのユーザーのための小さなユーティリティとして残した」とMozillaは説明しているが、いまや役目を終えて11月初めには完全に閉鎖する。
本日の発表を、今のMozillaが耐えようとしている全体的な苦境との関連で見ないわけにはいかない。財政状態が良くてスタッフの25%をレイオフすることもなかったなら、Firefox Notesは生かしていただろうし、Firefox Sendの改良も続けていただろう。しかし現時点では、さまざまな実験をしていく余裕もない。今同団体はFirefoxを初めとするコアプロダクトに集中しようとしているが、それらはどれも無料のサービスだ。